Linus Torvalds氏がフェローとして所属する非営利組織The Linux Foundation。イベントやメーリングリスト、Webサイトの運営など、Linuxの開発や利用が自由にできる環境の整備や普及推進に取り組んでいる。その使命や活動内容、活動を支える企業や人々について、ジャパンディレクタの福安徳晃氏に聞いた。

(聞き手は高橋 信頼=ITpro


福安徳晃氏

Foundationの使命は何ですか。

 最も重要なミッションはLinus Torvalds氏を雇用することです。中立的な立場で、彼がLinuxの開発に100%専念できるようにする。加えて、法的な問題への対応やイベントの開催を通じて、Linuxを自由に開発・利用できるようにすること、拡大することが我々の使命です。

 そして我々がいちばん心を砕いているのが、産業界とコミュニティーの橋渡しです。産業界の要望をどうコミュニティーに伝えるか、産業界の利益をどうコミュニティーに還元していくか。

 そのための場がワーキンググループ(WG)です。WGには2種類あります。1つはTizenやXen、Open Daylightなど参加する企業が主導し、我々が場を提供するもの。もうひとつはAutomotive Grade Linux、CE Working Groupなど、Linux Foundationが主導するものです。

イベントの意義は何でしょう。

 普段開発者はオンラインでコミュニケーションしていますが、時にはフェイストゥフェイスでディスカッションした方が、開発が進みますよね。そのためのイベントがLinuxCon(関連記事:LinuxCon Japan 2013 レポート - Linus Torvalds氏が語る「Linuxはどこへ行くのか」)などです。海外だと、講演というより、どんどん質問の手が上がって侃々諤々の議論になり、講演時間が終わった後にさらに廊下で話し込んだりすることもあります(笑)。