ここからは、頂上座談会で日米3人のデータサイエンティストが語った内容を、1人ずつ詳しく紹介していこう。

 1人目の今回は、米EMCグループのピボタルでデータサイエンスサービスのグローバルヘッドを務めるアニカ・ヒメネス氏である(写真)。ピボタルに在籍する前は米ヤフーで6年間、データ分析に携わった生粋のデータサイエンティストである。


写真●米ピボタルのデータサイエンティストであるアニカ・ヒメネス氏
(写真:北山 宏一)

ヒメネス氏:私たちがデータサイエンティストを採用する時には「24時間テスト」を行います。

 事前にデータセットを渡して、「これで何ができるか、24時間でやってみてください」と伝えるのです。会う前にやってきてねと。「面白いことができるのか」を試すわけです。

 (司会の記者が「窓のない部屋」でテストをするのかと冗談で質問したのに対し)別にどこかの部屋に閉じ込めて、丸1日テストをするわけではないですよ(笑)。やり方も本人の自由です。

 人まねではない独自のやり方でデータ分析に取り組んでいる姿勢や熱意が見られたら、私たちはその部分を大いに評価します。

 結果を受けて、この人に会ってみようと思ったら、面接ではまず本人に、1時間ほどプレゼンテーションをしてもらいます。大学で学んできたことや、どんなことに興味を持っているのかを自由に話してもらうのです。

 そこで我々が見ているのは、その人がどういうロジックで話をするのかとか、どんな技術(スキル)を持っているのかです。必ずしも、博士号や修士号を持っていなくても構いません。

 種明かしをすると、実は一番注目して見ているのは、「この人は私たちのチームの一員として一緒に働いていけるのか」ということです。履歴書を見ると素晴らしい人であっても、会ってみるとそうでもない、ということが時々ありますからね。

 もちろん、最低限のスキルは必要ですよ。

 私たちがデータサイエンティストに求めるコアとなる2大スキルは、統計学とプログラミング能力です。この2つが両立していないと、採用で「イエス」とは言えません。加えて、SQLも少しは経験したことがあった方がいいですね。EMCではデータサイエンティストの養成講座も用意しています(関連記事:EMCジャパン、データ・サイエンティスト養成サービスの詳細を説明)。