新連載の第1回では、お客様からの問い合わせメールと企業からの「返信メール」について考察しました。第2回の今回は、返信メールの模範例文とその解説をお届けします。
なお、文言や言い回しはバリエーションがたくさんあります。一言一句変わらず、そのまま日頃の返信メールに当てはめようとはせずに、段落または文章ごとに意図を理解して、目的に沿う表現をご自身でそのつど考えていただければと思います。
さあ、始めましょう。
好かれる文章を生み出すリーディングのヒント
お客様に「好かれるメール」の返信文を考える前に、今回のお客様からのメール内容をもう一度整理しておきましょう。
問い合わせのきっかけ:袋の切り取り線よりも上の部分に、賞味期限が印字されていては不便だ、という思い
伝えたい主旨:切り取られない部分に賞味期限が印字されていたら便利だ、という企業への提案
そのうえで、改めてこのお客様からの問い合わせメールを読み返してみましょう。お客様の文章表現に着目してみると、お客様が企業に対して「心」を伝えている箇所があります。
どこだか分かりますか?
次の文章に注目してください。「開封線の下に賞味期限が書かれていたら、便利なのになぁと思いました」。
「便利だと思います」という書き方もできるところですが、お客様はなぜわざわざ「なのになぁ」という言葉を入れたのでしょうか。
こういうちょっとした表現の違いは、忙しい業務中には読み飛ばしがちです。しかし、ここに重要なリーディングのポイントがあるのです。
お客様が伝えている文字の奥にある「心」を感じ取り、それに応えていくことがコミュニケーションを重視したカスタマーメールの応対になります。