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「人間から学び、人間を支援する人工知能を」~金子知適氏・「GPS将棋」開発メンバー

小向 将弘=日経パソコン 2013/06/27 日経パソコン
写真●GPS将棋開発メンバーの金子知適東京大学総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系准教授
[画像のクリックで拡大表示]

 コンピュータ将棋ソフト「GPS将棋」は2013年4月、5つの将棋ソフトと5人の現役プロ棋士が対戦した「電王戦」の第2回大会最終戦で、三浦弘行八段を破った。この勝利で将棋ソフト側は対戦成績を3勝1敗1引き分けとし、団体戦の勝利を決めた。

 GPSは「ゲームプログラミングセミナー」の略。同セミナーは東京大学大学院総合文化研究科の教員と学生が開催しており、このメンバーたちがGPS将棋を開発した。GPS将棋は他の4つのソフトと同様に、22回世界コンピュータ将棋選手権(2012年開催)で好成績を収め、電王戦に出場することになった。

 GPS将棋を中心になって開発した、金子知適東京大学総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系准教授は、思考ゲームを題材とした人工知能の応用に力を入れる研究者だ。

 金子氏は勝因を「先の展開を読む探索能力や局面の形勢判断をする評価関数、そして多くのコンピュータをつなげて計算力を上げる技術、これがすべて向上したこと」だと言う。今回の対戦で、GPS将棋は約700台のiMacによる並列処理を実現、1秒間に2億8000万手を読んだ。

 形勢判断力の向上については「機械学習」という手法を採用したことが大きい。これは過去の棋譜をコンピュータに自動的に学習させる方法。GPS将棋の場合、2万数千の棋譜を学習した。

 あくまでも「学習」であって、棋譜を丸暗記し、その通りに指すわけではない。金子氏は「様々な局面におけるプロ棋士の形勢判断を、ソフトは一般化して学習していく。今では、棋譜にはない独自の指し方もできるようになってきている」と説明する。

 金子氏に「目標は名人や竜王に勝つことか」と尋ねると、しばらく考え込んでから、こう答えた。

 「最大の興味は、機械学習によって、コンピュータがどこまで人間に近付けるのかということです」

 将棋ソフトの研究により、「それまでに人間が編み出した戦術やある種の美的感覚を、コンピュータがどこまで真似できるのかを見ることができる」という。

 その先にある夢は「人間をサポートするシステムを作ること」だ。個人のレベルに合わせてアドバイスができる将棋ソフトの実現がまず目標になりそうだという。

 人間の振る舞いや思考から学び、人間を支援する。それによってコンピュータの活躍できる場がより増えればと金子氏は願っている。

 「例えば、僕の研究を手伝ってくれる人工知能とか」と言って、いつもは冷静な顔をほころばせた。


小向将弘
日経パソコン
 日経パソコンに通算10年所属。ほかに日経クリック、日経トレンディネットなどの記者、副編集長を務めた。デジタル製品のマーケット、ユーザーの購買行動などを継続的にウオッチする。

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