NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの携帯電話キャリア大手3社が、モバイルのネットワーク性能を競い合ってアピールしている。背景にはスマートフォンの急速な普及により、キャリアが展開してきた垂直統合モデルが崩壊し、グローバルメーカーによる端末がキャリアにとらわれずに選択できるようになったことなどがある。結果、キャリアの競争力の源泉がネットワーク力に回帰してきたのだ。

 「広い」「早い」「つながる」――。キャリアは各社各様に自社のネットワーク力を強調するが、人口カバー率やスピードなどの指標は基準が一律ではなく、横並びで比較することは難しい。基地局も、単に数を比較するだけではなく、「質」までも問われている。

 こうした中、総務省の研究会では、ユーザーがキャリアを適正に評価するための環境づくりを進めている。研究会のワーキンググループのメンバーとして最終とりまとめにかかわった筆者が、現状の課題と今後望まれる対策を整理する。