写真●スーパープログラマの角南萌氏
写真●スーパープログラマの角南萌氏
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 「プログラミングはパズルみたいで面白い。画面が完成したときと、エラーを直して動いたときの達成感がたまらない」

 こう話すのは、角南 萌(すなみ もえ)氏。1998年生まれの中学生にしてスーパープログラマだ。

 プログラミングに目覚めたのは2011年夏。米スタンフォード大学のサマーキャンプに参加し、コンピュータサイエンスのコースで2週間、プログラミングの基礎をみっちりと学んだ。

 帰国後、夏の自由研究で出したゲームが「全国小・中学生作品コンクール」で文部科学大臣奨励賞を受賞。このときはJavaScriptで作ったが、iPhoneのスマホアプリにも興味を持ち始めた。「iPhoneは初代から持っている。アプリ開発者に憧れていた」。

 2012年には、自作のiPhoneアプリで「アプリ甲子園2013」に挑戦。独創性、デザイン性とも高評価を受け、見事1位を獲得した。自分で時間を指定可能なプレゼン用タイマー「見えるプレゼンタイマー」がそのアプリで、アップルのApp Storeからダウンロードできる。

 通学時は、iPhoneで米スタンフォード大学でのプログラミング言語の授業を見る。「プログラミングを勉強できる環境が学校にはない」というのが理由。授業でもPCを学ぶが、キーボードの配列や機器の名前を教えたりするのが中心で、角南氏が望むレベルには程遠い。

 「アイデアがあれば、iPhoneのアプリは簡単に作れる。学校の友だちも誘っている」と語る角南氏は、将来について「まだ分からない」と話す。「国際政治にも興味があるし、プログラミングが面白いと思っていたらやっているかもしれない」と笑う。

 既にスーパープログラマであり、まだまだ大きな可能性を秘めた角南氏。同氏のような人材が、自分の可能性の芽を摘まれることなく、「面白い」と思える経験を積みつつ成長していけば、10年後の日本を元気にする存在となるに違いない。(協力:西 雄大=日経ビジネス)


田中 淳
日経コンピュータ
 日経コンピュータ、日経AI、日経ウォッチャー、日経ソフトウエア、ITpro記者、副編集長などを務めた。「知」に関するテクノロジー、マネジメント手法、システム構築手法に興味を持つ。