写真●ガラポンの保田歩代表取締役
写真●ガラポンの保田歩代表取締役
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 「テレビ視聴に革命を」。ベンチャー企業のガラポンの保田歩代表取締役は2010年3月の創業当時からこう発言し続けてきた。

 この夢を実現するのが、ガラポンが開発・販売する専用端末「ガラポンTV」だ。ガラポンTVは、地上テレビ放送8チャンネルをワンセグ画質で24時間2週間分録画できる。録画した番組を、3G回線を経由してスマートフォンから視聴可能だ。しかも映像と同時に送られる字幕データを蓄積し、全文を検索できる。

 従来は自分の見たい番組がいつ放送されるかを知らなければ、テレビの前に座ることも、録画予約することもできなかった。自動的に全番組を録画するガラポンTVは違う。ネットでの評判や友人からの紹介文を読んだ後に、過去に放送された番組をさかのぼって視聴できる。視聴場所も選ばない。

 たとえば、ガラポンTVにつながる専用アプリで「オバマ大統領」について触れた番組シーンを検索すると、「オバマ大統領」にかかわる番組シーンをすべて抽出して一覧表示する。この中から見たいシーンを選ぶと、オバマ大統領に関連した映像が再生される仕組みだ。

 さらにガラポンTVの所有者同士で、ほかの人に自分が見た面白いシーンをツイッターなどソーシャルメディアを通じて伝えあえる。シーン情報を埋め込んだURLを受け取ったほかの所有者が、自分のガラポンTVから該当する動画データを読み出して視聴することも可能だ。

 ガラポンTVはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)をサードパーティに開示している。ある開発者は2ちゃんねるの番組別実況スレッドの発言数を時系列にグラフ化するサービスと、ガラポンTVを連動させるアプリを開発した。グラフ内で発言数が多い箇所をクリックすると、その時間とチャンネルに相当するシーンを再生し始める。こんなテレビはこれまでなかった。