写真●ビジネス書作家兼IT・デジタル関連製品の評論家・レビューアーの戸田覚氏(撮影:高橋宣仁)
写真●ビジネス書作家兼IT・デジタル関連製品の評論家・レビューアーの戸田覚氏
(撮影:高橋宣仁)
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 ビジネス書作家の肩書きを持つ戸田覚氏だが、人によってはIT・デジタル関連製品の評論家、レビューアーとしての方が通りがいいかもしれない。

 1990年代からパソコン分野のレビュー記事や解説記事を各種メディアに精力的に執筆、昨今は活躍の場をスマートフォンやタブレット、各種クラウドサービスにも広げている。

 辛口だが的を射た指摘やユーザー視点の分析には、読者のみならず、批評される側のメーカーからも信頼が厚い。

 本稿の読者にも、氏のレビュー記事を参考にパソコンの購入機種を決めたという人は少なくないのではないだろうか。

 その立ち位置はまさに、変化が速く、ややもすれば難解になりがちなデジタル機器の効能や良し悪しを、一般のユーザーに分かり易く説いて回る“デジタルの伝道師”といった感がある。

 売れっ子だけに仕事ぶりはすさまじい。抱えている連載の数は40本以上。最近は特に、動きの速いWebでの連載が増えているという。並行して執筆する本やムックは年間8~10冊に及び、これまでの累計は150冊を超えた。

 合間を縫ってテレビやラジオにも出演、各種セミナーなどへの講演依頼は引きも切らない。傍目にも、いったいいつ眠っているのかと心配になるくらい、24時間365日、臨戦態勢の生活を続けている。いったい、何が氏をそこまで突き動かすのだろうか。

 「そもそも書くことが大好き。あと、自分自身でもいろいろな調べごとをしますが、役に立つ情報が見つかるととてもうれしい。それを記事にすることで、同じ気持ちになってくれる人が増えるかと思うともっと楽しくなる。自分が調べたこと、知ったことを1人でも多くの人に伝えたいのです」と戸田氏は語る。

 人の何倍もの仕事をパワフルに回せる理由は、まさにこの「人に伝えたい」という根源的な欲求から来るようだ。