Beatroboが開発・提供する「Beatrobo」は音楽の共有サービスである(関連記事)。YouTubeで公開されているミュージックビデオの中から、ユーザーが気に入った曲を集め、自分のプレイリストを作ったり、それを友人と共有して聞いてもらうといったことができる。使い方として念頭に置いているのは“昔のカセットテープ”だ。その昔、カセットテープに自分のお気に入りの曲を録音し、それを友人同士で貸し借りするといった経験がある方もいるだろう。こうした音楽との関わりを、“今流”にアレンジしたのがBeatroboだ(Beatroboのサイト)。

 同サービスの中で、ユーザーは自分の「部屋」を持てる。各部屋には同社の特徴的なキャラクターである「ロボット」がいて、そのロボットと楽曲リストが紐づいている。このロボットを介して、他のユーザーに自分のプレイリストを聞いてもらったり、ロボットをコピーしてプレイリストそのものを提供したりといったことが可能になる。ただ、ここまでであればWebサービスの一つであり、ハードウエアベンチャーとは関係のない話になってしまうが、同社が興味深いのは、ここから一歩踏み出して、単なるソフトウエアビジネスとは異なる領域にチャレンジしている点だ。

Beatrobo CEOの浅枝大志氏(右)とBeatplugを開発した同社の竹井英行氏
写真1●Beatrobo CEOの浅枝大志氏(右)とBeatplugを開発した同社の竹井英行氏

 スマートフォンの普及とともに、様々な関連アクセサリーが登場しており、イヤホンプラグに挿すグッズなども数多い。Beatroboはこうした状況に着目。イヤホンプラグに挿すことで、楽曲情報をネット経由で得られるガジェットである「Beatplug」(ビートプラグ)を開発し、Beatplugそのものの単体販売から、Beatplugをベースにしたミュージシャンとのコラボレーションなども検討している。同社 CEOの浅枝大志氏とBeatplugを開発した同社の竹井英行氏(写真1)に、ハードウエアに取り組む理由などを聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=ITpro


パソコン向けのサービス、スマートフォン向けのアプリといった展開をしていく中で、なぜハードウエアであるBeatplug(写真2)を出そうということになったのでしょうか。

写真2●何度も試作を繰り返した「Beatplug」
写真2●試作を繰り返している「Beatplug」
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浅枝氏:ある日突然竹井が(Beatplugを)持ってきたというのが真実です。2012年の1月のことです。当時、(Beatplugは)事業計画にも入っていなかった。そのころはそもそも会社を立ち上げる前で、これから会社組織にしてBeatroboをやろうという段階。会社ができる前に新しいチャンスを受け取ったという印象です。

 このロボットのキャラクターは大森清一郎さんという方がデザインしました。シルエットを見ただけで、それがBeatroboだと分かるシンプルなコンセプトのデザインをお願いしました。顔も色も関係く四角形の組み合わせだけでBeatroboだと分かります。