マイクロソフトは開発者向けカンファレンス「Tech・Ed 2013 North America」の基調講演でWindows Azureの料金体系の見直しなどを発表しました。さらにオンプレミスの環境をクラウドに拡張できる「Cloud OS」として、Windows Azureの機能強化も打ち出しています。 明治大学などと共同で実証実験をしている養液土耕栽培システムも公開しました。同システムはWindows Azure上に構築しており、導入コストの削減に役立っています。

Windows Azure料金体系の変更:停止VMを無償化など(6/3)

 米ニューオリンズで2013年6月3~6日(現地時間)の日程でマイクロソフトが開催している開発者向けカンファレンス「Tech・Ed 2013 North America」の基調講演でWindows Azureに関する各種アナウンスがありました。開発から運用までWindows Azureをより柔軟に利用するために料金体系を見直しています。

Windows Azure仮想マシンの停止インスタンスを無償化
 Windows Azure仮想マシンの利用中、インスタンス(仮想マシン)を配置した際に、インスタンスが「停止」状態になっていても課金対象となっていましたが、このたび課金なしに変更となりました。サービス課金の単位が1時間単位から1分単位に変更され、必要なときに必要な時間だけ、より柔軟に利用できるようになりました。

MSDNサブスクリプション会員向けにWindows Azureとサーバーライセンスの柔軟な利用体系を提供
 Windows Azure上での開発およびテスト目的での利用の場合、MSDNサブスクリプションに含まれるマイクロソフトのサーバー製品をインストールして、利用可能になりました。

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 MSDNサブスクリプションに含まれるWindows Azureの特典は、それぞれサービスごとに無償使用量が定められていましたが、月々決まったクレジット(無償利用の上限金額)を設定する方式に変更され、Ultimateは1万2500円/月、Premiumは8500円/月、Professionalは4500円/月までの範囲で、Windows Azureのサービスを無料で利用できます。仮想マシンは33%の割引で、クラウドサービス/Webサイト(占有)/HDInsightは25%の割引で利用できます。

 なお、開発およびテスト目的で利用する際、MSDNサブスクリプションを持っている場合はWindows Azure仮想マシンのSQL Server/BizTalkインスタンスを、Windowsインスタンス(特定のサーバーアプリケーションがインストールされていないもの)と同料金で利用でき、通常の従量課金に比べて90%以上の割引となります。

 さらにMSDNサブスクリプションメンバープランおよび90日無料評価版の無償分の使用量がWindows Azure管理ポータルから確認可能になります。

[MSDN サブスクライバー向けのWindows Azureの特典](Windowsazure.com、詳細はUltimate/Premium/Professional
[Faster development, global scale, unmatched economics…Windows Azuredelivers.](Windows Azure Team Blog)
[Windows Azure: Announcing Major Improvements for Dev/Test in the Cloud](ScottGu's Blog)
[MSDN サブスクライバー向けのWindows Azureの特典](Windowsazure.com 詳細はUltimate/Premium/Professional) [TechEd North America 2013 Website]
[TechEd North America 2013](Channel 9)