酒徳峰章氏は「楽しく役に立つツール作り」を軸に活動しているフリーランスのプログラマーである。2004年度にIPA(情報処理推進機構)の「未踏ソフトウエア創造事業(未踏ユース)」で「スーパークリエーター」に認定された経緯から、この肩書きで活動している。

 ただし筆者からすると「スーパーノマドワーカー」という印象が強い。なにしろ酒徳氏の担当編集者をしているのに、まだ一度も会えていないのである。

日本とマレーシアを往復する「スーパーノマド」

写真●酒徳峰章氏(ペンネームはクジラ飛行机)(撮影:加藤康)
写真●酒徳峰章氏(ペンネームはクジラ飛行机)
(撮影:加藤康)
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 酒徳氏は「クジラ飛行机(ひこうづくえ)」のペンネームで、日経BP社のWebサイト「PC Online」において「仕事に役立つJavaScript入門」というプログラミング解説記事を毎週連載している。JavaScriptに明るくない読者にも理解しやすいように、サンプルプログラムと改造のヒントを示してくれている。

 最近になってその連載の担当者を引き継いだ筆者は、なぜ酒徳氏に会えないのか。酒徳氏が現在、マレーシア北部の海沿いの田舎街に拠点を置いているからだ。原稿は電子メールとDropbox(クラウドストレージサービス)を使って送られてくる。ごくたまにLINEを使って「電話」で話すこともあるが、たいていはメールのやり取りで事足りる。

 酒徳氏がマレーシアに渡ったのは2011年9月頃という。以後、年に数回日本とマレーシアを行ったり来たりしながら生活している。タイ国境に近いマレーシア北部の街を選んだ理由はシンプルで「旅行で行った時に気に入ったから」だという。住んでみると心底気に入ったそうで、連載記事にも現地の風景が時々登場する。