ソーシャルメディアは、これまで個人のプライベートなコミュニケーションを中心に使われてきました。しかし、ここ数年企業の業務での利用が大きく増えてきています。

 また、このような現象は、企業活動において様々なリスクを生み出しています。ソーシャルメディアのリスクとしては、投稿内容から発生するトラブル、いわゆる「炎上」が大きく取り上げられてきました。しかし、企業の業務でのソーシャルメディア利用のリスクはそれだけではありません。

 本日より5回にわたり、企業が知っておくべきソーシャルメディアの様々なリスクと対策について解説していきたいと思います。

ソーシャルメディアと業務の変化

 ソーシャルメディア(SNS:Social Network Serviceとも呼ばれる)は、インターネット技術を利用した、誰でも比較的簡単に情報発信などのコミュニケーションに利用できるメディアです。従来、インターネットでのコミュニケーションは、電子メールや掲示板、ホームページ、ブログなどが中心でしたが、このソーシャルメディアに大きく移りつつあります。

 ソーシャルメディアの業務活用は一過性の「ブーム」ではなく、「パラダイムシフト」といえるものです。我々はこのような環境の中で業務や生活をしていかなければならない時代になったといえるでしょう。

 ソーシャルメディアは個人を中心に利用者が増えてきましたが、2011年春から企業ユーザーや個人での業務利用が顕著に急増しました。

 2011年3月11日に、東日本大震災が発生しました。その時福島県出身である筆者は、休暇で帰省がてら遊びに行った、猪苗代町のスキー場で被災しました。この際、長時間にわたる停電や震災による物理的被害で、固定電話・携帯電話などの通信手段が奪われ、会社や親族との連絡が取れないだけでなく、世の中でどういうことが起こっているかという確認もままならない状況でした。

 そんな時に、これらを解決してくれたのが、スマートフォンとソーシャルメディアでした。スマートフォンを使ったTwitterやFacebook、YouTubeなどのアクセスにより、会社や家族との連絡や最新情報の確認ができたのです。このようにソーシャルメディアは災害時の重要なコミュニケーション手段として、企業でもその必要性や有効性が評価され、広く認知されることになりました。

 現在、ソーシャルメディアは多くの種類のサービスが提供されており、企業で利用されています。その主なものを挙げてみましょう。 ローソンをはじめ、これらのソーシャルメディアを活用したサービスを展開し成功をおさめている企業も数多くあります。

<主なソーシャルメディアサービス>
Facebook、Twitter、Google+、mixi、YouTube、LINE、KakaoTalk、ニコニコ動画、NAVERまとめ、Pinterest、Tumblr、pixiv、mobage、GREE、USTREAM、foursquare、Instagram、LinkedIn、おけったー、ミイル、口コミサンキュ!、ロケタッチ、twitpic、ブログなど

●企業での活用例:ローソン
●企業での活用例:ローソン
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