Ethernetが車載用途でも導入される大きな要因は、高速な通信速度と拡張性の高さにある(図1)。一般的なEthernetであれば、電気信号の利用で1Gビット/秒まで、光信号の利用で10Gビット/秒まで高速化できる。
高画質なカメラを複数台利用するシステムや、複数台のディスプレイでHD映像を視聴するリア・シート・エンタテインメントでは100Mビット/秒、バックボーン用途では1Gビット/秒以上のデータ伝送速度が求められる。Ethernetであれば、車載用途でも100Mビット/秒を実現できる水準にある。今後は、車載用途でも電気信号のままで、1Gビット/秒の実現が目標になっている。
もう一つの特徴である拡張性の高さについては、通信機器や民生機器で多用されるTCP/IPに対応する際に、外部の機器やネットワーク・サービスとの連携が容易になる。バス型やスター型といった複数のネットワーク・トポロジーに対応可能である。
(続く)