今回から、組織の宿命とも言える「会社の老化」のメカニズムについて解説します。こうした「老化現象」は全ての組織に不可避の現象で、会社も歴史を重ねてある程度の規模になればほぼ例外なくこうなっていくことを理解しておく必要がある、というのが本稿のキーメッセージです。
例えば以下に挙げるような事象が「老化」の兆候です。皆さんの会社ではいかがでしょうか?
- 報告・連絡のためだけの会議が多い
- 意思決定に必要なのは前例と実績である
- 誰でも知っている会社名や商品ブランドを持っている
- 「できない理由」が得意な社員が多い
- 簡単な経費の使用にも複雑な承認プロセスが必要である
- 出世するのは現場・ラインより管理・スタッフ部門である
- 「何を言ったか」より「どの役職の人が言ったか」が重要である
- コンプライアンス等のための「証拠作り」の仕事が多い
- 評価は減点主義である
- 現場で手を動かしているのは外注先で自社はその管理が仕事である
- 「得意先の課長」より「自社の社長」とのアポが重要である
- ccメール等、読まないメールが大量に来る
- 仕事は誰がやっても同じアウトプットが出るよう「組織化」されている
- 「変わった人」は迫害される企業文化である
- 「誰が信頼できるか」より「誰が担当者か」が重要である
- 「言い出しっぺ」は損をする
- 訳のわからない規則やルールが多数存在する
- 他責で依存心の強い(何でも他人と会社のせいにする)社員が多い
- 会社全体より自部門の利益を優先させる
- それでも社外向けスローガンは「顧客第一」と「イノベーション」である