50万人以上のフォロワーを誇るTwitterのアカウント「NHK_PR」が、どのような狙いで生まれ、どう運用されてきたのかを紹介した書。過去のツイートとその反響を取り上げながら、NHK広報局の担当者(筆者)がそのときに考えていたことや感じたことを振り返るスタイルとなっている。

 タイトルの印象を裏切らず、説明も全体的に「ユルい」流れになっているが、運用の難しさはしみじみと伝わってくる。「企業の人格を感じてもらいたい」「番組の宣伝をしない」という方針で始まったわけだが、公共放送の会社という立場もあり、ツイートには常に非難や不満が付きまとう。東日本大震災時の対応を説明した下りには胸が熱くなった。筆者は「本当のことを誰も知らないまま話が広がっていくことの恐ろしさ」なども指摘しており、いろいろと考えさせられる点も多かった。企業のTwitter担当者に限らず広くお薦めしたい。

中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?


中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?
NHK_PR1号 著
新潮社発行
1260円(税込)