写真1●日本ではまだWindows Phone 8が発売されていない
写真1●日本ではまだWindows Phone 8が発売されていない
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 約2年前の2011年8月、KDDIから世界初となるWindows Phone 7.5端末が日本で発売された。その1年後、2012年10月にはOSのメジャーバージョンアップとなるWindows Phone 8がリリースされたにもかかわらず(写真1)、国内で対応端末が発表される気配はない。大手携帯電話事業者3社の夏モデル発表会においても今後の見通しは立たないまま、この8月で2年が過ぎようとしている。

 果たして国内でWindows Phone 8が発売されない原因は何なのか。携帯電話事業者、端末メーカー、そして米Microsoftなど、様々な角度から検証してみよう。

NTTドコモはWindows Phone計画をいったん白紙化

 国内でのWindows Phone 8の発売に向けて、最も具体的なコメントを出したのがNTTドコモだ。2012年夏モデル発表会では当時の山田隆持社長が「冬モデル以降で検討している」と発言(写真)。2012年10月のWindows Phone 8正式発表を踏まえた冬モデルとしての投入が期待された。

写真2●2012年夏モデル発表会でWindows Phone 8に言及する山田隆持社長(当時)
写真2●2012年夏モデル発表会でWindows Phone 8に言及する山田隆持社長(当時)
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写真3●2012年春以降「遅れている」と発言
写真3●2012年春以降「遅れている」と発言
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 しかしその冬モデル発表会では、後任となった加藤薫社長からWindows Phoneは遅れるとの発言があり(写真3)、MicrosoftなどNTTドコモ以外の原因によって遅れている可能性を示唆した。さらに2013年春モデル、そして今回の夏モデル発表会においても、これといった進展がない状態が続いている。

 この点をNTTドコモに確認したところ、たしかに一時期はWindows Phone 8の発売に向けて検討を進めていたという。しかし、「ドコモ、Microsoft、端末メーカーの3社間で、一定期間内の合意に至らず、発売を見送った」(NTTドコモ)と経緯を説明。NTTドコモとしては発売の時期を逃せば商品性がなくなると考えており、やむなく発売を見送る形になったという。