少女たちは無料通話/メッセージアプリで長時間友達とつながり、相手から届いたテキストの内容に一喜一憂する。少年たちはゲームアプリに没頭してバイト代をつぎ込み、寝食を忘れてネットの世界で活動する――。小学校高学年から中学生、高校生たちに急速にスマートフォンが広がるなか、従来にはなかった課題が浮上してきた。

 これまで断片的にしか見えてこなかった、スマホを肌身離さず持ち歩く子供たち=「スマホチルドレン」の現状を、公立中学校で20年間生徒指導を担当してきた兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄准教授がアンケートとインタビューにより明らかにした。そこには親世代がうかがい知ることができなかった驚くべき実態があった。

 連載では、スマホチルドレンたちへのアンケート結果や彼らの生の声から、子供のスマホ利用がもたらしている影響を具体的に描いたあと、自治体や通信事業者、サービス事業者などが試行錯誤しながら取り組み始めた対応策を分析。スマホチルドレンの親として、そして社会の一員としてすべきことを問題提起していく。 

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