アプリマーケットの中で最も多くの売り上げを計上しているのは、ダウンロードは無料だが、その後のアイテムの入手に課金するタイプのゲームアプリである。だが最近、新たに台頭しているゲームアプリを見ると、従来のゲームとは内容面だけでなく、売り上げの面でも異なる傾向を示すものが増えている。

 その具体的な変化を探るため、今年に入ってApp Storeのトップセールスランキングにランクインしているゲームアプリのトップアドオンから、各ゲームアプリの売り上げの傾向を見ていこう。

新興ゲームアプリの売り上げの構造は?

 アプリマーケットで配信されているスマートフォンのゲームアプリ、中でもダウンロードは無料だが、その後のアイテムに課金する「フリーミアムタイプ」のゲームアプリは、今やマーケット全体の売り上げの多くを占めるまでになっている。アプリビジネスを語る上で、ゲームアプリは外すことのできない非常に重要な存在となっている。

 だがスマートフォンのゲームアプリの中でも、多くの売り上げを計上するゲームアプリは、その傾向が年を追う毎に変化しつつある。アプリ内課金が花開いた2011年頃は、フィーチャーフォンで人気を博したソーシャル要素の強いカードバトル系のゲームが高い売り上げを誇っていたが、昨年「パズル&ドラゴンズ」が登場すると状況は一変。ゲーム性の高いものに支持が集まるようになり、そうしたアプリがマーケットの中で多くの売り上げを占めるようになってきた。

 2013年に入っても、ゲームアプリの人気、さらには高い売り上げを上げるゲームの傾向は大きく変化している。App Storeで今年に入って売り上げを急速に伸ばし、執筆時点においてもトップセールスの上位30位以内に入っているアプリをピックアップし、表1にまとめた。

表1●2013年に入りトップセールス上位にランクインしているアプリ
アプリ名 App Storeでの
配信開始日
トップセールス
(2013年5月27日)
LINE ウィンドランナー 2013年2月19日 2
ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル 2013年4月15日 12
戦国炎舞 -KIZNA- 2013年4月15日 24
クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ 2013年4月22日 15
ぷよぷよ!!クエスト 2013年4月24日 10
ドラゴンポーカー 2013年5月17日 13
Candy Crush Saga 2012年9月 20
Megapolis 2012年12月 27

 表1にピックアップしたアプリは、4月から5月にかけて公開されたアプリが多い。公開初期の段階で急速に人気を獲得していることが分かる。最近公開されたアプリ以外では、「Candy Crush Saga」「Megapolis」などのように、海外製のゲームアプリがローカライズされるなどして人気を伸ばすケースも見られる。