写真●GMOインターネットの山下浩史常務取締役
写真●GMOインターネットの山下浩史常務取締役
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 生き馬の目を抜くインターネット業界。IT(情報技術)インフラからネット証券、ソーシャルゲームなど幅広く事業を展開するGMOインターネットグループにとって、スピードは何よりも重要な要素だ。CIO(最高情報責任者)に当たる山下浩史常務取締役グループシステム部門統括兼システム本部長も「常にスピードを意識している」と語る(写真)。

 そんなスピードを支えているのが、意外にも対面のコミュニケーション。「キープアップミーティング」と称して、すぐに関係者が集まり、議論する場を設けている。山下常務も今、10ほどのキープアップミーティングに参加している。

 ネット業界といえば、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やウェブ会議といった仕組みを活用し、遠隔でコミュニケーションの大半を済ませているという印象が強い。しかし、山下常務をはじめGMOインターネットグループの社員は、実際に対面で会話をすることを重視する。山下常務は「思いついたら、すぐに集まる。これがスピードにつながっている」と強調する。

 とはいえ、山下常務もこうしたスピード感に入社当初から慣れていたわけではない。2007年4月にGMOインターネットに入社するまで、日本IBMで金融一筋。大手銀行のシステム統合プロジェクトなどにプロジェクトマネジャー(PM)として参画。システム統合プロジェクトでは、PMとしておよそ1500人の舵取り役を担った。金融畑に慣れた山下常務にとって、ネット畑のスピード感に慣れるまでには、一定の時間が必要だった。

 例えば、前職ではいったん決めた仕様で、なるべく変更が起きないようにコントロールすることが、プロジェクトマネジメントの大事な要素だったという。しかし、今は柔軟に変更できるようにすることを心掛けている。「昨日はAの方が良かったかもしれないが、今日はBだったということを恐れずに、素早く方向転換すること」を山下常務は肝に銘じている。

Profile of CIO

◆経営トップとのコミュニケーションで大事にしていること
・一番心掛けているのは「結論ファースト」と数字で表現すること。経営トップには数字で優劣を判断するように話している。
◆普段読んでいる新聞・雑誌
・日本経済新聞のほか日経コンピュータ、ITpro、「CNET Japan」(朝日インタラクティブ)。情報収集の手段としてフェイスブックも活用している。
◆ストレス解消法
・最近始めたゴルフや子どもと過ごす時間。