前回と前々回は、UX/UIデザインの具体例をご紹介致しました。今回は、自社でUX/UIデザインを行う際に、どのような素養(スキル)の人が適しているのか、また、どのように育てていけばよいのかを考えていきたいと思います。

デザイン×エンジニアリング×ビジネスの「交差点」

 まず、どのような素養(スキル)の人がUX/UIデザイナーの適正があるのでしょうか。

 私は、デザイン×エンジニアリング×ビジネスの「交差点」に立てる人だと考えています。なぜなら、UXデザインは、デザイナー、エンジニア、ビジネスマン(経営・マーケッター・営業・ユーザー)とコミュニケーションをとり、協力して問題解決していくことが必要なためです。互いの知見をオーバーラップすることで最高のユーザー体験を実現することが可能です。

図●デザイン×エンジニアリング×ビジネスの「交差点」
3つの円が重なるスキルを持った人がUX/UIデザイナーに適している
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 わかりやすい例が、3つの職種を経験したことのある人です。日本の市場ではまだ希有なようですが、例えば、あり得る可能性としては、営業を経験したエンジニアがデザインに興味を持つ。マーケティングを経験したデザイナーがプログラムを学ぶ。などだと思います。私の場合は幸いにも、1~3年目に、新サービス立上げを通して法人営業とマーケティングを経験し、4~6年目にお客様のWebディレクションを通してHTML/CSS/JSと標準的なWebデザインを学び、7~8年目に自社サービスのUIリニューアルを通して、IA(Information Architects)とグラフィックデザインなどを学びました。試行錯誤を繰り返し、8年を要しました。

 以下では、読者の皆さんが学ぶ資料をまとめてみました。こちらを参考にしながら少しでも知見を深めていただければ幸いです。