前回は事例として国内の化粧品メーカー、ドクターシーラボが運営するECサイトを取り上げた。実施されているゲーミフィケーション的な施策を説明し、より良くするための視点について紹介した。

 今回は、ゲーミフィケーションを取り入れた海外のサイトを取り上げる。Chamillionaire(カミリオネア)という米国のミュージシャンが自身で運営しているファンサイト「Chamillitary(カミリタリー)」の事例だ。前回のドクターシーラボの取り組みでは「ユーザーへの感謝」という観点が強く表れていた。カミリタリーの場合はどのような設計がされているのだろうか?

 最初に補足をしておくと、カミリオネアはユニバーサルミュージックに所属しており、日本語による紹介サイトもある。グラミー賞に2度ノミネートされたことのあるミュージシャンであり、起業家としても活躍。テクノロジー系のカンファレンスで講演するといった活動もしている。ファンサイトであるカミリタリーも同氏自身が企画・運営しているようで、2012年に米国で開催されたゲーミフィケーションサミットでは同氏がスピーカーとして登壇していた。

 最初にサイトにアクセスすると写真1のようにトップページが表示される。コンテンツとしてはブログ・楽曲情報提供といったカミリオネア自身からの情報発信型コンテンツと、ユーザーが写真・動画などを投稿できるコミュニティ型のコンテンツの大きく2種類が用意されている。

写真1●ファンサイト「Chamillitary(カミリタリー)」のトップページ
写真1●ファンサイト「Chamillitary(カミリタリー)」のトップページ

 写真1のページ上の中央部分にマウスカーソルを合わせると、写真2のように会員登録を促す画面が表示される。ここで会員登録することで、ファンがこのサイトの中で取った様々な行動に対してポイントがもらえるようになっている。この会員登録を促す画面に書かれている文章には、「カミリタリーに参加して特別なリワードをもらおう!」といった主旨のことが書かれている。

写真2●会員登録を促す画面
写真2●会員登録を促す画面