身近なデータをどう組み合わせるか

 データサイエンティストと聞くと、ビッグデータを複雑な数理モデルで解析する専門家というイメージがある。米大手広告代理店でデータ分析に携わる著者は、一見複雑な分析プロセスの原点にある「数字の組み合わせ方」を分かりやすく解説する。「Sexy Little Numbers」という原題が表すように「身近にある小さなデータ」を組み合わせることで、隠れた真実が浮かび上がる過程を鮮やかに描き出す。

 顧客をターゲティングし、その居場所を発見し、投資予算を決め、効果を測定するというプロセスごとに、ブリティッシュ・テレコムやUPSなどの事例に基づいて具体的に解説していく。読み進めるうちに「自分もデータ・サイエンティストになれるかも」とワクワクしてくる。

データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」


データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」
ディミトリ・マークス/ポール・ブラウン 著
馬渕 邦美 監修
小林 啓倫 訳
日経BP社発行
2100円(税込)


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