今回は、Windows Azure用のアプリケーション開発キットWindows Azure SDK for .NETの最新版が公開され、Webサイトなどの開発を支援する機能が強化されています。無償のWeb開発ツールであるMicrosoft WebMatrix 3は5月から正式版がリリースされました。さらに、iPhoneやAndroidが動作するスマートフォンから、企業ネットワーク内のリソースにアクセスできるサービスのプレビューも公開されています。

Windows Azure SDK for .NET 2.0を公開(4/30)

[画像のクリックで拡大表示]

 Windows Azure用のアプリケーション開発キットであるWindows Azure SDK for .NETの最新版v2.0が公開され、Windows Azure Webサイト、クラウドサービス、ストレージ、サービスバス、PowerShellなどで開発をサポートする機能が強化されています。  この機能強化により、Visual Studioで開発したWebサイトをWindows Azure Webサイトに発行する際、発行に必要なプロファイル情報の取得や読み込みが簡素化され、発行したWebサイトをローカルのサーバーなどと同様にVisual Studioのサーバーエクスプローラーから管理できるようになりました。

 なお、Windows Azure Webサイトで診断ログ(Diagnostic Logs)機能が利用できるようになり、稼働中のWebサイトのログをVisual Studioから参照できます。

 Windows Azureクラウドサービスのアップデートとしては、Windows Azure仮想マシンの正式サービス開始と共に発表されたメモリ集中型インスタンスが、クラウドサービスでも利用できるようになりました。また、クラウドサービスのアップデート方法として、同時更新オプションが追加されました。

 これまでは、サービス停止が発生しないようにインスタンスが順番にアップデートされていましたが、この同時更新オプションでは、サービス停止は発生するものの、迅速かつ一斉にアップデートの実行が可能になります。さらに、パフォーマンスやエラーなどのログを取得できるWindows Azure診断が強化され、ログ種別や取得間隔などを細かく設定できるようになりました。アプリケーションの変更や再デプロイをしなくても、診断の設定や更新が可能です。稼働中のクラウドサービスにおけるこれらの診断データをVisual Studioから参照することもできるようになり、デバッグが容易になりました。

 Windows Azureストレージの開発についても機能が強化されており、Visual Studioサーバーエクスプローラーからテーブルの作成、編集などの操作ができるツールが用意されています。

 Windows Azureサービスバスはクライアントライブラリが更新され、メッセージ情報のロックまたは参照を可能にするメッセージ参照(Message Browse)の対応や、メッセージポンプ(Message Pump)によるプログラミングモデル、アイドル状態にあるメッセージエンティティの自動削除機能の追加――といった機能が追加されています。

 Windows Azure PowerShellはPowerShell 3.0に対応し、各種サービスを操作するためのCmdletsも追加されています。

●関連情報
Announcing the release of Windows Azure SDK 2.0 for .NET](ScottGu’s Blog)
Azure SDK for .NET - 2.0](Web Platform Installer でインストール:Visual Studio 2012用/Visual Studio 2010用 注:クリックするとダウンロードを開始します)(Microsoft ダウンロードセンター)
Windows Azure SDK for .NET](GitHub)