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「買う気」を高めるマーケティングオートメーション

第2回:1年で見込み顧客数が5倍に

ワンパターンメールから脱皮、顧客ごとに攻め方を変える

田島 学=アンダーワークス代表 2013/05/01 日経情報ストラテジー

 マーケティング・オートメーションは、コストをかけずにワン・トゥ・ワンマーケティングの実現を支援し、リード(見込み顧客)数の増大をもたらす。ではリードが増える具体的なプロセスはどんなものか。今回はマーケティング・オートメーションの機能面を説明したうえで、実例を見ていきたい。

 マーケティング・オートメーション関連ツールは、米国では既に100以上存在すると言われるほど存在し、ツールによって提供される機能は様々だ。だが多くのツールが提供している機能は主に以下の5つに集約されると考えて良いだろう。

1.システム連携機能

 自社の顧客データベースやSFAツール、アクセスログツールなどと連携し、マーケティング対象の抽出・絞り込み、潜在顧客からのレスポンスデータを統合管理することができる機能。

2.キャンペーンシナリオ作成支援機能

 「どのような潜在顧客に」「いつ」「どのような活動を行う」のかをシナリオ化する機能。多くのツールでは対話型でシナリオを設定できる。シナリオでは、「あるサイトを閲覧した」「特定のページを見た」「ホワイトペーパーをダウンロードした」といった行動をとった顧客に対し、次にどんなページを表示するかを予めセットしておく。これが「リードナーチャリング」と呼ばれる、顧客の育成プロセスに当たる。

3.シナリオ実行エンジン

 シナリオに基づいてリアルタイムにメールを自動配信したり、掲載コンテンツの内容を変更するマーケティング施策の実行機能。

4.リードスコアリング機能

 マーケティング活動への潜在顧客の反応(メールの開封、ウェブページへのアクセスなど)を集計し、取引に至る可能性が高い顧客は誰なのかを評価する機能。

5.分析・効果測定機能

 マーケティング活動への反応や獲得した見込み顧客(リード)などを集計し、施策ごとにマーケティング活動の投資対効果を可視化する機能。

 以上のような機能を活用することで、大量の潜在顧客に対して効率よくワン・トゥ・ワンマーケティングを推進し、リードを増加させていく。

 マーケティング・オートメーションの導入効果はどのような形で計測されるのだろうか。当然、ゴールである「見込み顧客の増加」が最も重視される計測指標である。もちろん、見込み顧客に営業活動をすることで最終的に成約に至った「クロージング率」を効果とする例も多い。

 一方で、こうした成果指標だけでなく、マーケティング活動の頻度などのプロセス指標を効果として設定する企業も多い。ECサイトの場合は、頻繁に顧客に働きかけるほど、売り上げも伸びるという相関関係がある。顧客を放置せず、適切に次の手を打てば、成果はついてくるという考え方だ。

 それでは一体どのくらいの見込み顧客の増加が期待できるのだろうか。実例を挙げてみたい。

顧客をグループ化し、メールの内容を変える

 マーケティング・オートメーションの導入によって見込顧客数が1年あまりで5倍になったという驚くほどの成果をあげている企業もある。電子署名(デジタルシグニチャー)事業の米ARX社だ。

 同社ではこれまで、登録されたメールアドレスや名刺交換で取得した個人情報などの潜在顧客の情報を数万件保有していた。しかし同内容の販促メールを一斉配信するというアプローチしか行ってこなかった。また、メールに対して反応があっても、人手でまかなえる範囲でしか対応してこなかった。

 こうしたやり方では当然ながら、どの潜在顧客が見込顧客になる可能性が高いのかは分からない。だからと言って、マーケティングや営業部門の人的リソースを大幅に増やすことは無理だった。

 そこで同社は、B2Bに特化したマーケティング・オートメーションツールを利用して、メールを中心とした潜在顧客へのアプローチを自動化し、機会損失となっている見込顧客の開拓を試みることにした。

 潜在顧客の情報をデータベース化し、顧客属性や活動履歴などで顧客をグループ分けして、それぞれにカスタマイズしたメール配信シナリオを設計した。メールは自動的に配信される。属性別にメールの内容がカスタマイズされ、更にメールへの反応に応じて次のアクションが自動的に変更されるようになった。

 潜在顧客がこれらのメールを読んで、リンクをクリックするなどのアクションを起こすと、スコアが加算される。一定の基準を超えた顧客の情報を営業部門に引き渡し、個別にアプローチをかけることにした。営業担当者も、これまでネットでどのようなマーケティング活動を行ってきたのかを確認しながら、営業戦略を考えるようにした。

 結果として、同社では導入からわずか1年足らずで、見込顧客を導入前の5倍にまで急増させるという成果を生みだした。また、最終的な成約率も30%以上増加した。それまでのマーケティング活動がいかに機会損失を生み出していたかということが如実に表れた形だ。

 これは極端な成功例だが、このような事例を見るとマーケティング・オートメーションへの取り組みは非常に魅力的に見える。だが、導入へのハードルは決して低くはない。次回は、マーケティング・オートメーションを日本の企業が導入していく際の課題について考えてみたい。

田島 学(たじま まなぶ)
アンダーワークス代表取締役社長
田島 学(たじま まなぶ)


早稲田大学政治経済学部卒。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て2006年4月にデジタルマーケティングのコンサルティング会社アンダーワークスを設立。

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