レノボの「ThinkPad Helix」は、タブレットとキーボードが分離・合体する「脱着式」のUltrabookだ。これまでにもAtom搭載タブレットで脱着式のPCは存在したが、レノボによればUltrabookとしては国内初で、国内最軽量になるという。
従来のThinkPadは「X」や「T」といった型番でラインアップが分けられていたが、これらとは異なる「Helix」という名称を冠する。コンバーチブル型の「ThinkPad Twist」と並び、Windows 8世代のThinkPadとして注目の新シリーズだ。
画面は11.6インチのモバイルサイズながらフルHDのディスプレイを搭載し、高性能なCoreプロセッサを搭載しながら12時間のバッテリー駆動を実現するなど、パフォーマンスとモバイルを追求したUltrabookとなっている。通常は相反するこれらの要素を両立させるために独自の冷却機構を搭載するなど、並々ならぬ工夫が凝らされた意欲作となっている。
今回はこのThinkPad Helixを詳しくレビューしていきたい。
構成によっては20万円を超える、プレミアムUltrabook
今回評価するThinkPad Helixの主な仕様を以下に示す(詳細な仕様はレノボのWebサイトを参照)。
CPU:Intel Core i7-3667U 2.0GHz
メモリー:8GB
ストレージ:256GB SSD
GPU:Intel HD Graphics 4000
ディスプレイ:11.6インチ・IPS液晶(1920×1080ドット)
OS:Windows 8(64ビット)
ThinkPad Helixはレノボの直販サイト「レノボ・ショッピング」で販売されており、様々なカスタマイズが可能だ。原稿執筆時点ではCore i5・4GBメモリー・128GB SSDの最小構成で14万3829円(クーポン適用後)となっている。Microsoft Officeを搭載しないUltrabookの価格としては、かなり高い部類に入る。
基本構成ではストレージとして最大256GBのSSDを選択できるが、メモリーは4GBで固定、CPUも2種類のCore i5のみとなっている。より高性能なCore i7・8GBメモリー・180GB SSDの「バリューパッケージ」は19万3347円となる。プレミアムクラスのUltrabookといってよいだろう。
いずれの構成でもディスプレイは11.6インチのフルHD・IPS液晶だが、デジタイザーペンの対応はオプションとなっている。ペン入力が必要な場合は、1万500円の追加でペン入力対応のディスプレイを選択できる。NFC(Near Field Communication)についても1050円の追加で対応する。
後述するようにタブレット本体にはSIMカードスロットを備えるが、日本ではワイヤレスWANのオプションは提供されていない。ノートPCとして使うために必要なキーボードドックは構成に含まれており、タブレットのみを購入することはできない。
価格について、単にCPUやストレージのスペックで他機種と比べれば割高といえる。しかし独自の冷却機構や、使いやすいドッキング機構を備えており、トータルで見れば法外な価格とはいえない。たしかに気軽に買うことは難しい金額だが、ノートPCとタブレットを別々に購入するよりは安いといった考え方もできそうだ。