プロジェクトの上流工程で業務分析を行う際、業務フローを利用部門でも直感的に把握できるように図示することが求められる。本書は、アクティビティー図やユースケース図といったUML(Unified Modeling Language)のさまざまな図の活用法を、業務分析に役立つ部分に絞り込んで解説した一冊である。

 「歯科診療」という具体的かつ分かりやすい業務をサンプルにして、さまざまな図の描き方を紹介しており、業務分析の経験が浅いエンジニアにも理解しやすい。業務分析の経験者にも参考になるノウハウを随所に盛り込んだ。例えば、業務内容がいくつも分岐する状況をアクティビティー図で表すときは別のケースと捉えて図を分けたほうがよい、などとアドバイスする。

 UMLの基本的な記述方法は把握していて、業務分析にUMLをどのように活用すればよいのかを知りたいITエンジニアにとって、一読の価値があるだろう。

はじめての業務分析 ヒアリングからモデル作成まで


はじめての業務分析
窪田 寛之 著
ソフトバンククリエイティブ発行
2730円(税込)