スマートフォンやタブレットは、データの守りを固めることで、モビリティのツールとして広範囲に活用することができる(「「データ保護」が必須に、注目技術は「コンテナ化」」)。それでは、その先にあるモバイルの未来形とは、どのようなものなのだろうか。

 スマートフォンやタブレットはあくまでも「PCの未来形」であり、それらがネットワークにつながっても、情報はあくまでも「人が入力する情報」や「人の動きの情報」の範疇を超えない。

 しかし、自動車やビル、道路、医療機器など、ありとあらゆる環境や商品がコンピュータネットワークにつながると、社会や生活に与えるインパクトは格段に大きくなる。こうした世界が、モバイルとワイヤレスの未来形だ()。

図●「情報のインターネット」から「あらゆるモノのインターネット」へと向かっている
図●「情報のインターネット」から「あらゆるモノのインターネット」へと向かっている
出典:ガートナー
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 例えば、自動車が自分が行く場所の情報をリアルタイムに発信できれば、渋滞予測だけではなく、自動車同士の衝突を避けられるかもしれない。例えば、世の中の外灯や自動販売機が周辺の環境や購買者の行動を把握したら何が起こるだろうか。こういう世界になれば、ビジネスへのインパクトも極めて大きい。企業の情報システム部門には、一見自分たちのビジネスには関係なさそうな、こうしたモバイル、ワイヤレスの動向にも関心を持ってもらいたい。そのうえで、ビジネスへの応用を提案していくことが、今後は求められるだろう。

 今後は、企業内の敷地(インフラ)の中に解決すべき課題とその解答はない。そうではなく、企業の外で起こりうる変化を見るべきだ。インターネットには世界中のモノが全部つながる---そういう視点を持てば、これからの情報システムのあり方はとても面白いと思う。