第9回ではソーシャル要素の活用について説明した。FacebookやTwitterを使うことだけにとどまらない、多岐にわたるソーシャル性の生かし方があることがお分かり頂けたのではないだろうか。

 「エンゲージメントの向上にソーシャルを活用」というのはよく耳にするフレーズだが、単純にFacebookページやTwitterアカウントを開設するだけでエンゲージメントが向上するわけではない。ユーザー間の多様な交流の場を設計することがソーシャル性活用の要諦である。

 応用編も終盤に近づいてきた今回は、今まで説明してきたような各項目の検討を経て、ゲーミフィケーションを取り入れたサービスをローンチした「後」のことについて説明したい。

 実はこのローンチ後にどうするかという点が成功と失敗を大きく分ける。ユーザーの実際の動きの変化を見る前の段階でなされた検討内容は、基本的に仮説の塊である。仮説はどこまでいっても仮説であるため、検証し見直すというプロセスが必要となる。一般にはPDCAとも呼ばれるが、こうした仮説検証のサイクルを定常的に回していくことで随時仮説の精度を高めていくことが、ローンチ後に重要なこととなる。

図1●仮説検証のサイクルを定常的に回していくことが重要
図1●仮説を検証し見直すサイクルを定常的に回すことが重要