私たちの大先輩や有識者が何カ月、時に何年もかけてまとめたのが「BOK(知識体系)」です。BABOKについて言えば、タスク名称を見てもイメージしにくいことや、プロセスが定義されていないことから、実際に活用するには多少の時間が必要です。しかし、ここでつまずいていては、BOKの本当の良さを知らずに終わってしまいます。それは非常にもったいないことです。

 話は変わりますが、みなさんは旅行に行く時に、地図を持っていきますか。車での移動ならカーナビがありますし、今ならスマートフォンで自分がいるところが分かるので、必ずしも地図は必要ないでしょう。

 では、頭を使って仕事をする世界ではどうでしょう。BOKには、頭を使って仕事をする人への多くのヒントが詰まっています。

 BOKをうまく使うことで、自分の組織やプロジェクトに足りない部分、強化しなければならない部分を把握できます。もちろん、独自のプロセスや自分たちだけの特殊解を構築することもできます。

 初代ドイツ帝国宰相、オットー・フォン・ビスマルクは、次のように言いました。

 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

 そう、BOKも使わなければ、もったいないのです。世界中の先輩たちが苦労し、汗を流して経験したことを体系的にまとめ上げた「知識の地図」なのですから。