MSI S20の外観
MSI S20の外観
[画像のクリックで拡大表示]

 「MSI S20」は、MSIによるタブレットとノートPCを兼ね備えたUltrabookだ。MSIが「スライド式」と呼称するように、ノートPC状態からディスプレイを180度に倒し、手前にスライドさせることでタブレットに変形できる。タブレットとしてもノートPCとしても利用可能なコンバーチブル型Ultrabookの一種といえる。

 画面サイズは11.6インチと小ぶりながら、画面解像度はフルHDを採用。デスクトップアプリには高い生産性を、Windowsストアアプリには高精細な描画を期待できる。コンバーチブル型は変形機構により重量が増えがちだが、MSI S20では1.1kg台の軽さを実現。モバイルでも快適に利用できそうだ。

 今回はこのMSI S20を詳しくレビューしてみよう。

製品構成は1モデルのみ、価格はコンバーチブル機として標準的

 今回評価するMSI S20の主なスペックを以下に示す(詳細な仕様はMSIのWebサイトを参照)。

CPU:Intel Core i5-3337U 1.8GHz
メモリー:4GB
ストレージ:128GB SSD
GPU:Intel HD Graphics 4000
ディスプレイ:11.6インチ・IPS液晶 (1920×1080ドット)
OS:Windows 8(64ビット)

 現時点で提供されているのは、Core i5プロセッサ・4GBメモリー・128GB SSDという構成の「0M-004JP」のみで、これ以外に選択肢はないようだ。購入後にメモリーやSSDを増設することはできない点はあらかじめ理解しておきたい。

 なおMSIの英語サイトでは、メモリーの仕様が「DDR3 DIMM×1スロット(最大8GB)」、ストレージの仕様が「mSATAおよびSATA(7mm厚)」と記載されている。このことから、日本版モデルは4GBのSO-DIMMを1枚と、mSATAの128GB SSD(SanDisk U100)を搭載するものと思われる。さらにハイスペックなモデルや、7mm厚のSATAスロットを活用したモデルにも期待したいところだ。

MSI S20のパーティション構成
MSI S20のパーティション構成
[画像のクリックで拡大表示]

 128GBのSSDの内訳として、Cドライブに約106GBが割り当てられ、空き容量は約73GBとなっている。プリインストールのソフトウエアが少ないことも相まって、128GBモデルとしては比較的空き容量が多い構成といってよいだろう。

 価格について、MSIが発表した市場想定価格は10万9800円となっている。原稿執筆時点では、同価格で販売しているショップを複数確認できた。フルHDディスプレイを搭載したハイエンド寄りのUltrabookと考えれば、妥当な水準と感じる。

 注意したい点として、MSI S20のOSはPro版ではない通常のWindows 8で、Microsoft Officeも含まれていない。ビジネス利用でWindows 8 ProやOfficeが必要な場合は、追加購入が必要だ。ただ、現在ではデスクトップアプリのライセンスを含むOffice 365がビジネスユーザー向けに提供されているので、併せて導入を検討するとよいだろう。