4月に入ってから、Facebookが二つの大きな発表をした。どちらもまだ日本では展開されておらず具体的なイメージが沸きづらく、まだ国内ではそれほど多くの場で語られているようには見えないが、筆者はこれらがFacebookが次に展開するビジネスを示唆した、大きなインパクトを持つものと思っている。そう、“Facebook Home”と“Partner Categories”のことだ。

スマートフォンの操作を「Facebook中心」に

写真1●Facebook Homeの画面
写真1●Facebook Homeの画面
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 Facebook Homeついては、既に一部で詳細な解説などが公開されているが、一言で説明するなら「これまでのスマートフォンの基本的な要素を、全てFacebook関連のアクションにひも付ける形に置き換えるアプリ」といえる(写真1)。これはAndroidを搭載したスマートフォン向けのいわゆる「ホームアプリ」であり、Facebookアプリと連動する。Facebookに書き込まれる友達の投稿を、独自のスタイルで表示するだけではなく、「いいね!」やコメントを付けるといった操作を、Facebookアプリを起動することなくダイレクトにできるようになっている。

 言い換えれば、(現時点では一部の)Androidスマートフォンのホーム画面を、Facebookの利用を中心とした形に変えるものだ。ある意味「FacebookがAndroid端末のホーム画面を乗っ取った」という見方もできる。いずれにせよFacebookのヘビーユーザーには、Facebookアプリを起動するという手間(と言っても、それほど大きなものではないが)を省けるという点では非常に有用なアプリとなるのではと考えられる。

写真2●Partner Categoriesの画面
写真2●Partner Categoriesの画面
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 そして、もう一つ。“Partner Categories”について触れておこう。これはFacebook Homeに注目が集まってしまったせいか目立ってはいないが、Facebookの提供する新しい広告機能となる(写真2)。簡単にいえば従来のFacebookのターゲティング広告機能がさらに進化したものといえるだろう。

 これまでのFacebookのターゲティング広告は、ユーザーがFacebook上で興味や関心を示してきたテーマやコンテンツに合わせて表示されるものだった。ただし、これはあくまでもFacebookの中だけの話。つまりユーザーがどれほど興味や関心を持っていたとしても、それがFacebook外でのアクションなら広告のターゲティングには反映されなかった。

 今回Facebookが新たにリリースしたPartner Categoriesは、Facebook外でなされたアクションも、ターゲティング広告の対象となるというものだ。つまりパソコンやスマートフォンなどで購入した製品やブランドに対しても、Facebookでターゲティング広告を配信できるというものだ。