外資系に後れを取っていた国内ベンダーのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)が充実してきた()。

表●アプリケーションの開発機能を強化した主な国産PaaS
表●アプリケーションの開発機能を強化した主な国産PaaS
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 NTTデータイントラマートは2013年5月から「Accel-Mart」の提供を開始する。アプリケーションの開発・実行環境はもちろん、BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)やグループウエア機能なども備える。

 先行して「kintone」を提供するサイボウズも機能強化を急ぐ。3月10日にExcelファイルからアプリケーションを自動的に生成できる機能や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)機能を追加した。

 ニフティも4月2日に「ニフティクラウド C4SA」の機能を強化。ユーザー管理やデータベース管理といったサーバー関連機能を提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を追加した。

 こうした国産勢のPaaSは、同分野で先行する米セールスフォース・ドットコムの「Force.com」などに対抗するため、PaaS上で標準機能として提供するアプリケーションの多さや、料金面の特徴などをアピールしている。

 NTTデータイントラマートがAccel-Martの主な用途として想定するのは、ユーザー数やトランザクションが多く、基幹系システムと連携するフロントアプリケーションの基盤だ。「オートスケール機能を備えるので、処理が急激に増えるシステムをAccel-Mart上に構築しても問題ない」(NTTデータイントラマートの田中秀明クラウド推進本部長)。

 サイボウズのkintoneは、営業支援や顧客管理といったアプリケーションの構築を想定。kintone上で動作するアプリケーションを販売する「kintoneアプリストア」の拡充も図っている。「開発の簡素化が狙い」(サイボウズの青野慶久社長)だ。3月10日には、同ストアからのアプリケーションの導入をワンクリックで可能にした。

 価格面でも、Accel-Mart、kintoneはForce.comに対抗する。Force.comは最も安い場合、1ユーザー月額1200円だが、kintoneは同880円に抑えている。Accel-Martは経費精算など全社向けのニーズを想定。価格体系はユーザー数ベースではなく「ユーザーの多い用途でも利用しやすい」(田中本部長)リソースベースとした。ハードディスクが100GBまでの場合、月額17万5500円だ。

 ニフティもリソースベースの体系を採り、ハードディスクが1GBの場合、月額900円からと設定している。