最初に通信事業者のインフラがどのような構成になっているのか見ていき、次に老朽化を軸に「ヒト・モノ・カネ」の観点で通信事業者が実施している対策などの現状を紹介する。

 例えば電話では以下のような信号のやり取りで通信が成立する。家庭やオフィスの電話機から電話線を通り、最寄りの局舎の加入者交換機と接続する。その後、中継交換機のある局舎間の電話線を通って信号が伝送され、通話相手の最寄りの局舎の加入者交換機まで信号が届く。そして、そこから通話相手の電話機に信号が届いて通話が成り立つ。

 インターネットの場合は、交換機がルーターになり、通信する相手がサーバーになると思えばいい。音声信号ではなく、パケットの信号が光ファイバー上を流れていく。

 こうした通信を縁の下で支えるインフラ設備に目を向けてみよう。先述したように、交換機やルーターは局舎にある。電話線や光ファイバーはある程度の本数を束ね、保護被覆で覆った「ケーブル」として敷設されている。