2012年12月に発生した中央自動車道の笹子トンネル崩落事故以降、社会インフラの老朽化や維持管理に厳しい視線が投げかけられている。トンネルや橋、道路などの交通インフラ、上下水道や都市ガスといったライフラインで、老朽化に起因した事故が相次いで報道されている。高度成長期に造られたインフラは完成からすでに40~50年が経過。これまであまり意識されなかったことだが、維持管理の不備などが重なると、事故につながる恐れが高いことが明らかになってきた。

 通信もひとごとではない。道路や水道、ガスなどと同じく、企業活動や市民生活を支える重要なインフラだ。逓信省の時代から数えると120年を超える歴史がある。一家に1台の電話が普及した時期が高度成長期だったこともあり、大量の設備が設置された時期は橋やトンネルの造られた時期に近い。老朽化に起因する問題が発生しないのか、今後不安視される可能性もある(図1)。

図1●笹子トンネル崩落事故に象徴されるように社会インフラへの信頼が揺らいでいる これまであまり気にされていなかったインフラの老朽化や維持管理への関心が高まるようになった。
図1●笹子トンネル崩落事故に象徴されるように社会インフラへの信頼が揺らいでいる
これまであまり気にされていなかったインフラの老朽化や維持管理への関心が高まるようになった。
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