Googleの投資部門であるGoogle Venturesはビッグデータへの投資を加速している。その代表がClearStory Data (クリア・ストーリ・データ)。Palo Alto (カリフォルニア州) に拠点を置き、ユニークな方式でビッグデータ解析技術を開発している。

大量発生する公開データ

出典:ProgrammableWeb.com

 多くの企業は、Hadoopなどのツールを利用して、業務で発生する大量のデータを収集し、解析するシステムを構築・運用している。これはビッグデータ解析と呼ばれ、多くのベンチャー企業から新技術が登場している。一方で、企業外では、ソーシャル・メディアを中心に、膨大な量のデータが生まれている。これらデータの多くは一般に公開されており、企業はAPIを通して自由に利用することができる。現在、APIを公開しているウェブサイトの数は急速に増えており、その数は8000を超えている (上のグラフ、出典:ProgrammableWeb.com)。

 その代表がTwitterやFacebookで、企業はTwitterやFacebookのAPIを利用して、会員データにアクセスすることができる。この他にも、映画ストリーミング・サービスのNetflix (ネットフリックス) は、2008年からAPIを公開しており、企業は無料でAPIを利用できる。プログラムからAPI経由で、Netflixの映画情報にアクセスし、ユーザの映画に対する評価やコメントを読むことができる。更に、希望する映画を閲覧予定リストに追加することができる。

出典:instantwatcher.com

 実際に、NetflixのAPIは、多くの企業で利用されている。上のスクリーンショットはinstantwatcher.comというサイトで、Netflixの映画タイトルを容易に検索することができる。このサイトで利用者は、Netflixが提供している映画タイトルを、様々なカテゴリーで閲覧できる。上の事例は、1980年代の映画タイトルを検索し、その結果をサムネールで表示しいる様子である。利用者は検索した映画のQueueボタンを押すと、その映画をNetflixの閲覧予定リストに追加でき、Netflixでその映画を見ることができる。