BRMSソフトの基本的な機能はほぼ同じだ。各社は独自のやり方で使い勝手の向上やBPMなど関連機能の充実を進めている。

 使い勝手の向上策として、各社が力を入れているのはルール管理・編集機能である。BRMSソフトにおける典型的なルール管理・編集機能は、表形式でルールを記述していく「デシジョンテーブル」だ(図1)。表の形なので、現場の担当者自身でルールを記述できる。

図1●日本IBMの「Operational Decision Manager」のデシジョンテーブル
図1●日本IBMの「Operational Decision Manager」のデシジョンテーブル
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 多くの製品はデシジョンテーブルによるルール編集作業を容易にする機能を提供している。アーネスト・ビジネス・ソリューション(ebs)は2012年1月、韓国イノルールズの「innoRules」に対して、Excelで作成したルールを登録できる機能を追加した。従来はinnoRulesの専用エディターでルールを作成する必要があった。同様の機能は多くの製品が備える。
 Blaze Advisorは「Excel単体オプション」と呼ぶExcelのアドオン機能を用意している。これを使うとルールの作成や検証・テスト、ルールのバージョン管理までをExcel上で実行できる。デシジョンテーブルのほか、ルールやルール同士の関係を木構造で表すデシジョンツリーでルールを記述することも可能だ。

 ルールの作成方法がユニークなのは、日本オラクルのOPA(図2)。日本語の文章をWordにカット&ペーストし、文章に対して「ここは条件」「ここは結果」などとマーキングする。これでルールを定義できる。

図2●日本オラクルの「Oracle Policy Automation」の自然言語解釈機能
図2●日本オラクルの「Oracle Policy Automation」の自然言語解釈機能
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 OPAは、自然言語処理エンジンと約800の動詞が登録済みの辞書を搭載しており、これらを使ってルールを解釈・実行する。