エンタメに特化するエイベックスの戦略、ソフバンとの合弁事業「UULA」始動

2013/04/05
田中 正晴、滝沢 泰盛=日経ニューメディア (筆者執筆記事一覧
出典:日経ニューメディア 2013年2月18日号p.8
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 エイベックス・エンタテインメント(AEI)とソフトバンクの合弁会社であるUULAは、ソフトバンクモバイルのスマートフォン向け総合エンタメアプリ「UULA」のサービスを2013年2月14日に開始した。

 このサービスは、映画やドラマ、アニメなどの映像コンテンツや、ミュージックビデオ、アーティストのライブ映像、カラオケなどの音楽コンテンツ、さらには映像と音楽のコラボレーションをテーマにしたオリジナルコンテンツなど6万コンテンツ以上を月額490円で全て見放題で提供する。様々な種類のエンターテインメントを、追加の個別課金なく楽しめるもので、「総合エンタメアプリ」と称している。

 コンテンツは大きく調達品と、自主制作品から構成する。調達に向けては、サービス開始時にコンテンツパートナー会社として65社以上と契約済みで、今後も随時増やしていく予定。「ミュージックビデオやカラオケ、ライブがかなりを占める。その上で映画・ドラマなども他社サービスに遜色のない形で用意されている」とラインアップについて説明する。

 エイベックスとタッグを組むソフトバンクの強みとしては、「通信」「端末」「販売」を挙げた。特に販売では、全国2700店舗のソフトバンクショップを活用できることが強みになりそうだ。UULAの入会は公式サイトに加えて、ソフトバンクショップからも可能で、4月末までは店頭申し込みに限り1週間の無料お試しキャンペーンを実施する。

 UULAで提供するサービスは、テレビが備えるHDMI端子にスティック型のセットトップボックス(STB)を差し込んで利用できる、ソフトバンクモバイルがまもなく提供開始予定の「SoftBank SmartTV」のメニューの一つでもある。

dストアとの違い、プラットフォーム戦略など

 エイベックス・エンタテインメントのデジタルコンテンツ本部 副本部長であり、dビデオ(BeeTV)とUULAの両方を担当する村本理恵子氏は、BeeTVとUULAの違いについて、「映像コンテンツや音楽コンテンツの一部は共通している。一方で、UULAは「音楽と映像」を二つの大きな柱としており、(音楽が映像に含まれるのではなく)エイベックスが得意とする音楽を立たせたサービスである。また、音楽を楽しめる様々な機能を強化していることも異なる」と会見で説明した。会見後に改めて聞くと、基本的に二次利用コンテンツはほぼ同じで、オリジナルコンテンツがそれぞれの利用層に合わせて作っていく点で異なるという。

 NTTドコモの場合は「dミュージック」がある中でのdビデオであり、音楽はビデオのいちジャンルだった。ソフトバンクとの協業では、総合エンタメという位置づけであり、音楽を映像に並ぶ柱に位置づけてどんどんやっていく方針だ。

 NTTドコモに続いてソフトバンクとサービスを展開する経緯については、「我々はエンターテインメントの会社という立場から、デジタルの中でのエンターテインメントのプラットフォーム作りに、一つの方向性として取り組んできた。そのプラットフォームとしてdビデオがあり、国内最大のキャリアと組んで成功させた。しかし、我々としては日本の国民のほとんどを対象にサービスを提供していきたいと考えており、ソフトバンクとも以前から話をしてきた」と説明する。

 エイベックスがコンテンツプロバイダーではなく、プラットフォームに乗り出す理由については、「コンテンツには自信を持っているが、情報通信の変革の中で音楽という存在もかなり変わっている。その中で、利用者がエンターテインメントに集まる場そのものを作っていきたかった。その上に新しい映像や音楽を提供していく。デジタルの上に新しい市場を作り出すというのが、エイベックスの方向性である」と取り組みの基本的な考え方を説明した。

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