写真●マイクロソフトの開発者会議//Build/は6月26日から28日まで、サンフランシスコで開催される
写真●マイクロソフトの開発者会議//Build/は6月26日から28日まで、サンフランシスコで開催される
[画像のクリックで拡大表示]

 昨年10月のWindows 8出荷開始から約半年が経過、早くも次期WindowsとしてのWindows Blueの噂が流れはじめている。さらに、Microsoftは米サンフランシスコで開発者向けの会議「//Build/」 を6月に開催することを発表した(写真)。昨年の出荷直後にも同イベントがレドモンドの本拠地で開催されているが、今回は場所をサンフランシスコに移し、前回よりもかなり大規模なイベントになりそうだ。

 それに加えて、MicrosoftはWindows 8のスクリーン解像度に関するロゴ要件を緩和、それまでの1366×768ピクセルから1024×768ピクセルへと要件が変更されるという。

 こうしたハードウェア要件の変更、そして、新たなWindowsに関する情報は、その //Build/で詳細が発表されるはずだが、同じようなタイミングでコードネームHaswellと呼ばれてきたIntelの新プロセッサ搭載のパソコンも出てくることになりそうで、夏から秋にかけては Windows周辺に大きな変化が起こりそうだ。ずっと前からベータテストなどで概要が分かっていたWindows 8そのものの出荷よりも、今回の方が大きな革新にもなりそうな勢いだ。

PC管理者を悩ますWindowsの刷新

 これまでのWindowsは、大規模な刷新というと、メジャーアップデート以外ではサービスパックのリリースが主なものだった。サービスパックはWindows Updateによる細かい修正の集大成ともいえるものだ。Windows Updateでの修正を安直に受け入れてしまうと、ハードウェアによっては問題が発生する可能性もあり、それらをすべて追いかけながら現状との互換性を検証していくのは企業内のPC管理者にとって、大きな負担でもあった。基本的に個々のWindows Updateは禁止し、検証が終わったものだけを許可という現場も少なくない。だから、適用するのはセキュリティパッチだけで、それ以外はサービスパックのリリースまで凍結というような方法論もあった。

 出荷から1年を待たず、Windowsが大きくかじを取ろうとしているムード感は、意外といえば意外で、またしてもシステム管理者を悩ませそうでもある。そうはいっても、スマートフォンやタブレットなどで、アップデートが無線LAN経由で降ってくることに慣れつつあるエンドユーザーを、どう説得すればいいのか、あるいは、その変化を受け入れるという選択肢がありなのか。これからの重要なテーマとして考えていかなければなるまい。

山田 祥平(やまだ しょうへい)
フリーランスライター
1980年代、NEC PC-9800シリーズ全盛のころからパーソナルコンピューティング関連について積極的に各紙誌に寄稿。Twitterアカウントは @syohei