先月、IT業界で大物幹部の異動が相次ぎ、世界のメディアを賑わした。韓国Samsung Electronics、米Apple、米Google、米Facebook、カナダBlackBerryと、挙げていくと切りがないが、中でもモバイル分野で強力なタッグを組むSamsungとGoogleの動向が注目されている。
Samsung、モバイル部門の社長が共同CEOに昇格
Samsungは2013年3月15日、同社のモバイル部門の社長である申宗均(Jong-Kyun Shin)氏と、家電部門の社長である尹富根(Boo-keun Yoon)氏を、共同最高経営責任者(CEO)に昇格させると発表した。
理由は明解で、いずれの社長も同社を世界ナンバーワンの企業に押し上げたからだという。例えば、尹社長の指揮の下、Samsungのテレビ事業は2006年に世界市場で首位となり、以降、その地位を保っているという。また申社長の下でSamsungは2011年に世界スマートフォン市場でトップになり、2012年は世界携帯電話市場でもトップになった。
このうち申氏は、先ごろ米ニューヨーク市で開催したイベントで新型スマートフォン「GALAXY S 4」のプレゼンテーションを行った人物。その後米Wall Street Journalの記事にも登場するなど最近米メディアでも露出が増え、注目されている(写真1)。
そしてこれらの記事を通して、申氏が何を考え、Samsungのモバイル事業をどのような方向に導いていこうとしているのかが、徐々に明らかになってきた。
Wall Street Journalの記事をまとめると申氏は今、次のようなことを考えているようだ。
- 米国市場で高価格帯スマートフォンの販売を強化する。
- モバイルOSについて、Windowsのプラットフォームには期待していない。
- Androidを提供する米Googleとの関係を維持しながら、自社のモバイルOSである「Bada」とIntelと共同開発中であるオープンソースのモバイルOS「Tizen」の統合を進めていく。