アプリマーケットの動向は日を追うごとに変化していくのが通例だが、中でも月初と月末でアプリの順位を比べると、コンテンツの順位が大きく変動している場合がある。

 月末と月初で特に大きな変化が出てくるのが、普段は比較的動きが少ないと言われるアプリの売上ランキングである。では実際、月末と月初ではその動向にどの程度の違いが出てくるのだろうか。

ゲームを中心に月末・月初の影響を受けるアプリの売上

 継続的に利用されるコンテンツの動向が、大きな変化を見せるのが月末、そして月初である。中でも月末と月初とで、大きな変化を見せるのが当然ではあるが月額料金制のコンテンツである。例えばフィーチャーフォンのコンテンツの多くは月額料金制を採用していたことから、月初に契約数が大幅に伸び、月末に向かうに従って減少していくという傾向が見られた。

 だがスマートフォンのアプリは、最近でこそ月額課金の仕組みができるようになったとはいえ、多く採用されているのは有料課金による売り切り、そしてアプリ内課金による従量制のアイテム販売である。そのため、月末・月初の影響を受けるケースは少ないように見える。

 だが、月末・月初の影響を大きく受ける傾向の強いアプリもいくつか存在する。代表的なのが、アプリ内課金を採用したゲームコンテンツだ。その理由は、課金上限いっぱいまで利用していたユーザーの上限が月初になるとクリアされたり、ゲーム内で展開されているイベントが新しいものに入れ替わったりと、さまざまな変化が起きるためだ。

 そこで今回は、ランキングの動向が変化しやすいApp Storeの「トップセールス」ランキングを対象に、月末・月初は通常時と比べ、ランキングにどのような変化が起きているのか、またランキングが上下しやすいアプリはどのような傾向のものなのかを、確認していく(写真1)。

写真1●App Storeにおける2月28日(上)と3月1日のトップセールスランキングの違い
一部を除き、順位が大幅に入れ替わっているのが分かる。
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