新しいシゴトの作り方――。閉塞の時代に何よりも必要な力の引き出し方を、シリコンバレーの第一線の起業家、フィル・リービン エバーノートCEO(最高経営責任者)が解説します。閉塞の時代には、新たな地平を切り開く、イノベーターが必要です。人々を感動させる製品。業界の常識を打ち破るサービス。明日の展望が描き難い時代、新しい仕事を作る人間が求められているのは、世界共通の課題でしょう。その課題に対して、リービンCEOは、数々の起業経験を基にヒントを示してくれます。

 シゴトの作り方とは、単なる製品やサービス作りにとどまりません。組織に属する人であれば、新しい企画作りがそうですし、新規事業に携わる人であれば、その事業モデル作りに相当するでしょう。起業を志す人であれば、会社の立ち上げがまさに、事業の創造にほかなりません。そんな、様々な「シゴトの作り方」の疑問に、シリコンバレー注目の経営者が答えます。

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 「細かいところまで指示を出しすぎです。もっと任せてください」。私は企業でマネージャー職についていますが、部下からよく、こんな指摘を受けることがあり、正直悩んでいます。自分で気を付けてはいても、部下の仕事が気になり、ついつい口出ししたくなってしまいます。
 どこまでを任せ、どこまでを指示すればよいのでしょうか。Evernoteの開発現場ではフィルさんとエンジニアの間で、何か取り決めはありますか?(40代、男性、IT関連企業)
(写真:村田 和聡)

フィル:こんにちは、フィル・リービンです。今回質問をくれたのはマネージャーの立場にいらっしゃる方ですね。

 マネージャーは、自分が指揮するプロジェクトの品質やスケジュールを始めとして、あらゆる面で最終的な責任を問われる、とても重要なポジションですね。プロジェクトが上手くいかなくても、「それは部下のミスです」などという言い訳は許されません。