“ITの未来”創出し続けるシリコンバレー。日本のコンピュータメーカーの社員として渡米し、以来20年にわたりシリコンバレーをウォッチしてきた筆者が、今まさに生まれようとしている最先端技術を分析・報告する。

 Googleの投資部門であるGoogle Ventures (グーグル・ベンチャーズ) は、近年、ファンドの規模を拡大し、投資活動を加速している。今回からシリーズで、Google Venturesが投資を行った企業をレポートし、Googleの投資戦略を分析する。様々な新技術が登場する中で、Google Venturesのポートフォリオ企業を追跡すると、今年の技術トレンドが見えてくる。

Google Venturesとは

 Google VenturesはMountain View (カリフォルニア州) に拠点を置くベンチャー・キャピタルで、Googleの独立投資部門として事業を展開している。Google Venturesは、2009年に事業を開始し、2012年までに150社に投資を行っている。2012年の投資規模は3億ドルである。Google Venturesの投資先を見ると、モバイル(32%)、インターネット(31%)、コマース(16%)、ビッグデータ(10%)、ライフサイエンス(6%)、エネルギー(5%)となっている。投資分野は、Googleのコアビジネスである、モバイルとインターネットが中心となっていることが分かる。Google Venturesはキャンパスの一角にオフィス (上の写真、出展:VentureClef) を構え、事業を展開している。またGoogle VenturesのインキュベータであるStartup Lab (スタートアップ・ラブ) は、この近くにオフィスを構え、新興企業を育成している。