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変わるテレビ

昨年の興行収入でも上位を独占、フジテレビムービーの強さ

西 正=オフィスN代表 2013/03/29 日経ニューメディア
出典:日経ニューメディア 2013年3月4日号13ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 日本映画を復活させたのが、テレビ局各社であったことは周知の事実である。もちろん、今年の注目作である「東京物語」のように、まだまだ映画会社も名監督を抱えているところは健闘している。しかし、名監督も高齢化してきているのと、それに続く若手監督の層を厚くするのに苦労している感が強い。

 一方、テレビ局の映画製作への取り組みには色々なパターンがあるが、連続ドラマでヒットしたものの映画版を作ったり、そのスピンオフ版を作ったりと、テレビでの人気をそのまま生かすことができる強みもある。また、映画の製作資金の調達方法として製作委員会方式が採られるなど、リスクを分散させながら、なるべく多くの製作費を投入していこうとするわけだが、プロデューサーとディレクターの役割が分かれ、優秀なプロデューサーを抱えるテレビ局は資金調達のノウハウも高い。

 10年近くのデフレ状況が続きテレビ局の主たる収入源である広告収入の減少が顕著となったこともあり、それを補完すべく色々な有料収入の道を模索する中でも、映画製作というのは非常に有効であったと思われる。

 民放キー局各社を中心にどこの局も映画製作には力を入れており、どこが大ヒット作を生み出すかは決まっているわけではないが、平均して見ている限りフジテレビムービーの強さが一際目に付くことは確かであろう。昨年の日本における映画の興行収入を見ると、1位の「BRAVE HEARTS 海猿」、2位が「テルマエ・ロマエ」、3位が「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」と、上位の3作品は全てフジテレビムービーである。4位から10位は、洋画が2本、アニメが5本ということであった。

 上位3作のうち、「テルマエ・ロマエ」はアニメ化が先行したが、ドラマ化はされていない。「踊る大捜査線」も最近のドラマではない。必ずしもドラマ人気に乗って、映画も追加的にヒットさせたというのとは根本的に違っている。

 明らかに映画事業を社業の一つの柱として取り組んでいるスタンスであり、だからこその強さであるとも言えそうである。

 テレビドラマの製作にも、映画の製作にも、監督、助監督、主役級の俳優陣といった目立つ仕事をする人たちの他に、縁の下の力持ちとして、なくてはならない大道具、小道具、舞台、衣装、撮影、照明、録音、大勢のキャスト等々、大変多くの人たちが関与する。今のドラマは大体3か月を1クールとして、10話前後で完結するものが多くなっている。一話、一話で編集していくことも多く、3人くらいの演出家が関与して仕上げる構図である。

 映画の場合は、それがさらに大規模かつ長期間にわたって製作されることになるので、主役級の俳優のスケジューリングからカット割り、撮影の進行表管理と、現場の監督とは全く違う意味で、全体の管理を行っていく人間が必要になってくる。事前の宣伝も非常に重要となる。テレビ番組であれば番宣は放送内で行えるチャンスも多いが、映画の場合には投じる費用も大きくなる分、幅広く宣伝していくことも必要になる。

 トータルで全体をマネジメントできる人材次第という側面も強く、その人材の信頼度によって肝心要の資金調達にも影響してくることになる。

 そうした総合力を考えた場合に、フジテレビムービーの強さを感じるのである。亀山千広常務の実力も多くの人の認めるところであるし、非常に関係の深い会社である日本映画衛星放送の杉田成道社長も自ら、監督となって映画を撮るという経営者である。

 視聴率自体は、その時々の流行との兼ね合いもあり、もちろん良いに越したことはないのだが、必ずしも制作力の低下を裏付けるものではない。いつ大ヒット作が出て、首位に返り咲いてもおかしくない。映画の場合は、必ずしもその時々の流行に左右されないので、コンテンツ資産として蓄積されていくことになる。大ヒット映画を積み上げていくこと自体が、将来に向けた財産になっていく。

 強いコンテンツを生み出していく力が、テレビ局の本当の実力を示すことからすると、フジテレビムービーの強さはまさにそれを裏付けていると言えるだろう。もちろん小型の映画や、地味だが味のある映画を作り続けていく原動力にもなる。技術の進歩により、放送とネットの融合も注目されるところではあるが、大前提としての制作力の高さが何よりも今後の底力として効いてくることになるはずである。

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