コンシューマサービスを展開するネット企業にとって、顧客の情報をどのように活用するかは、ビジネス戦略において死活的に重要である。一方で、活用の仕方を間違えれば、顧客が意図しない形で情報が流通してしまい、深刻なプライバシー侵害を引き起こしてしまう。

 こうしたユーザー情報の適切な扱いを助けるのが、「アイデンティティ(ID)技術」と呼ばれるものだ。OpenIDファウンデーション・ジャパンと国立情報学研究所は2013年3月4日~5日、アイデンティティ技術のカンファレンス「Japan Identity & Cloud Summit 2013(JICS 2013)」を開催した。本連載では、JICS 2013の中で注目度の高かったテーマ、すなわちネット企業のID戦略、最新のアイデンティティ技術動向、クラウドID連携、国民IDやプライバシーなどのトピックについて、数回に渡って紹介する。