物理インフラの側面から「インターネットとは何か?」を分かりやすく解く。著者がインターネットを構成するインフラを尋ね歩く“ロードムービー”的な趣の書である。

 1章「地図」では、著者は米テレジオグラフィーを訪れ、インターネットが物理的に配置されたルーターやケーブルによって構成されることを知る。2章「ネットワークのネットワーク」では、パケット交換の理論的支柱を打ち立てたレナード・クラインロック氏を尋ねる。3章「接続だけが」と4章「インターネット全体」では米国と欧州のIXを、5章「光の街」ではロンドンのテレハウスを、6章「もっとも長いチューブ」では海底ケーブルの陸揚げ局を訪れ、インターネットの物理接続を明らかにしていく。そして最後の7章「データが眠る場所」では、米グーグルと米フェイスブックのデータセンターを訪問する。情報公開に対する両社の考え方の対比が興味深い。


インターネットを探して
アンドリュー・ブルーム 著
金子 浩 訳
早川書房発行
1890円(税込)