もうすぐ新年度。新たな職場で心機一転、という方も多いだろう。新年度をむかえるにあたって是非読んでいただきたいのが、これまでITproに掲載されてきたインタビュー記事だ。大ヒットアプリ「LINE」を企画した人はどのような考え方をしているのだろうか、経営者はどう判断したのだろうか、突飛とも思えるイベントはどういった発想から生まれたのだろうか…。

 回答とまではいかないまでも、そのヒントを得るには、当事者のインタビューを読むのが最も効果的だ。イノベーションの必要性がさけばれる今日、その一助になることを期待しつつ、2012年、多くの方に読まれたインタビュー記事をあらためてここで紹介したい(社名や肩書きは掲載当時)。

「LINE」を生み出した考え方

 最初は「LINE」や「NAVERまとめ」などの開発に携わったNHN Japan執行役員の島村武志氏のインタビューである。「新規事業はそもそも何をKPIにすべきかどうかすら分からないものです」「今のベストがなくて、1年後のベストを検討することはできません」「どんなリーダーであっても間違いなく間違えます。いかに上手に間違えるかがカギです。もっとよくなる失敗の仕方を考えておくのです」。新しいことを始めるための数々の名言が散りばめられている。

 ではそうした「LINE」「NAVERまとめ」といったサービスに最終的にゴーを出す立場の経営者はどのような考えで舵を切っているのだろうか。次に紹介するのはNHN Japan 代表取締役社長の森川 亮氏のインタビューだ。

 「『そこそこのものを作ってそこそこ儲ける』ことがあまり認められない。やるなら“ホームラン”、“大振り”するようなことをする。とはいえほとんどは“空振り三振”。ただ大振りした失敗は参考になる」。まさにLINEやNAVERまとめは“ホームラン”級である。こうしたサービスの影に数々の失敗があり、その時どうしたかということも森川社長は語っている。

あの「ニコニコ超会議」はこんな発想で始まった

 独自の動画サービスとして特に若年層の絶大な支持を集めている「ニコニコ動画」や「ニコニコ生放送」。昨年は千葉市の幕張メッセの全ホールを使ったイベント「ニコニコ超会議」を開催(PC Onlineの関連記事:「ニコニコ超会議」、会場には9万人超が集結)。さらにネット選挙の先駆けとも言える政治番組を定着させるなど、ネットサービスを展開する企業として他社には“真似のできない”ことを矢継ぎ早に展開しているのがドワンゴだ。

 同社創業者で会長の川上量生氏のインタビューは、時に突飛なことを述べているように感じられるかもしれないが、新規ビジネスを企画し展開するうえでのヒントや、働き方に関する考え方も数多く述べられている。