木村岳史の極言暴論!
目次
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大企業のIT部門も「ひとり情シス」状態、実はそれ以上にひどいぞ
「ひとり情シス」という言葉は、過酷な仕事を想起させる。言うまでもなく「ひとり情報システム部門」を略した言葉で、たった1人で企業の情報システムの保守運用などを担う技術者を意味する。少し前に社会問題になった外食産業の「ワンオペ」と同じような過酷な労働のイメージがあって、多くの技術者に忌み嫌われている。
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「我々は素人」と開き直るIT部門に聞く、では何のプロなのか
大手ユーザー企業を含め、IT部門の多くで素人集団化が進んでいる。プログラムを書かず、最新のITについても全く分からない。なにゆえ「我々は素人」と開き直れるのだろうか。恥ずかしいったらありゃしない。
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SIerによる“ピンハネ”と人月料金という“ファンタジー”の起源
下請けITベンダーの技術者たちが怒るのは、元請け、下請け、孫請け…といった多重下請け構造において、各ITベンダーに実際に支払われる人月料金の単価の差額の大きさだ。SIerが客から受注したシステム開発の単価が150万円だったとしても、多重下請けの末端では50万円台だったりする。IT業界の“恥部”と言…
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ITベンダーの皆さん、それは「奴隷の満足感」「奴隷の成功体験」です
「絶対に逃げないことで、お客さんから信頼されている」と自慢げに話す人が後を絶たない。誰のことかと言うとSIerなどの経営幹部たちだ。客から「システムを何とか完成できたのは、あなた方のお陰だ」と“感謝”されて、たわいなく喜び満足感に浸る。その挙句には、絶対に逃げないことを自分たちのブランド価値と勘違…
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「セキュリティが最重要」って騒ぎすぎ、そんなわけないでしょ!
とにかく「セキュリティ!」「セキュリティ!」とやかましい。企業のIT部門の長、ITベンダーの経営者、IT政策を担当する官僚らは「セキュリティが最重要」と大騒ぎしている。何の話かと言うと、企業のデジタルビジネスやデジタル革命などの件で「セキュリティ」ばかりを連呼するのだ。もう騒ぎすぎ。うるさくて仕方…
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シリコンバレーの“俺様ルール”が全産業を席巻、どうするニッポン
日本や米国をはじめ世界中の企業には“俺様ルール”がある。強い企業は何かを売る場合でも、客として利用する場合でも、「ウチのやり方に合わせろ」という俺様ルールを持ち出す。特にIT関連の場合、それが顕著だが、今やシリコンバレーの俺様ルールがIT産業だけでなく、あらゆる産業界を席巻しつつある。
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なぜ客に提案書をパクられるのか、狙われるのはベンダーの技術者の落ち度
客のIT部門の担当者がITベンダーの技術者の渾身の提案を平気でパクることは、この「極言暴論」で何度か問題にしたテーマだ。「御社に発注するから」などと信用させてITベンダーから提案書を受け取り、それをコピペしてRFP(提案依頼書)を作り、他のITベンダーに発注するという、客の所業の中で最も人でなしの…
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米国ベンダーのCEOがやっと分かった日本の“ITムラ社会”の本質
少し前のことだが、米国の某ITベンダーのCEOが「日本企業と長く付き合って、最近ようやく日本市場の特殊性の本質が分かってきたよ」と話し始めた。私は日本のユーザー企業のIT部門とITベンダーをひとくくりにして“ITムラ社会”と呼んでいる。そのITムラ社会について、このCEOは何を理解したのか。興味津…
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公共のシステム開発で“デスマ”、官僚も処罰すれば全てうまく行く
「官公庁のシステム開発については、プロジェクトに携わる民間の技術者の勤務時間を1日8時間とする。それを超える残業は一切認めない」。こんな法律を作ってみてはどうか。発注者として最低最悪の官公庁のシステム開発と、安倍政権の掲げる長時間労働の是正など働き方改革を両立させる方法は、これしかないと思うぞ。
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1人で作れるものを1万人で作る、日本のIT業界の恐るべきムダ
ソフトウエアの良いところは、工業製品や建物、農産物などと異なり、たった1つだけを作れば済むことだ。工業製品などは全く同じものでも、ニーズの数だけ造らなければいけないが、ソフトウエアはニーズの数だけコピーすればよい。ところが日本ではコピーせずに、技術者が個々に作っている。恐るべき人的リソースのムダ遣…
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高コストのシステムを抱え疲弊するIT部門、解決策は人を減らすべし!
「日本の大手金融機関のIT部門は毎年スカイツリーを建てている」という話がある。何のことかと言うと、メガバンクや大手保険会社のシステム保守費用の膨大さを端的に表すジョークである。こうした金融機関では、システム保守費用が年間で500億円とか600億円に達する。東京スカイツリーの建設費が400億円と言わ…
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日本のIT業界は要らない、“エセIT産業”のSIerはいよいよ用済み
ITとは言うまでもなく、インフォメーションテクノロジーの略称だ。そうするとIT産業は、新しいインフォメーションテクノロジーを生み出す産業ということになる。「そんな自明なことを書くな」と言われそうだが、日本ではその自明なことが成り立っていない。日本には新しい技術、新しいITを生み出す産業は存在しない…
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ITムラの技術者を襲う“ミスマッチ失業”の恐怖
真夏の暑い日々が続いている。夏休みモードでもあることなので、今回の「極言暴論」では、技術者の皆さんに少しでも涼んでいただくために、怖い話をしたいと思う。題して「ミスマッチ失業の恐怖」。私が言うところの“ITムラ”の技術者、つまりユーザー企業のIT部門と、SIerなどのトラディショナルなIT業界にい…
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何もかも他人任せのSIer幹部のたわ言、久々に怒りが湧いてきたぞ
最近、この「極言暴論」を書いていて思うのは、「自分が怒っていないな」ということ。以前は、ユーザー企業のIT部門やITベンダーの理不尽や不条理にかなり怒っていて、文章にもその怒りが十分に乗っていた。だが、記事を書く形で怒りを吐き出してしまうと“憑き物”が落ちる。そんなことを繰り返してきたので、最近で…
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孫社長と大企業の並の経営者を隔てる20年、“ITムラの住人”の無為の罪
ベンチャー企業を興した優れた起業家と、大企業の並の経営者がはからずもITに対して同じ認識を表明している。「これまでITは既存のビジネスを効率化するためのツールだったが、今や既存のビジネスを塗り替える力を持つに至った」。これを読んで「何だ?」と違和感を覚える読者も多いかと思うが、まぎれもない事実であ…
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「IT部門は無用」を公言する経営者やベンダー、そりゃ無責任!
最近、ユーザー企業の経営企画や事業部門の幹部、そしてITベンダーの幹部やコンサルタントは皆、軽やかに「IT部門スルー」を口にするようになった。「IoTなどデジタルビジネスのためのITを担うのはIT部門には無理。というか、そもそもIT部門の役割ではない」などと誰もが平気で話す。「IT部門は企業の情報…
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IT業界の多重下請け構造の瓦解、技術者に“失業”の覚悟はあるか
ある大手SIerの幹部から「あんたは、人月商売や多重下請けの元凶として我々のことを悪く言うが、我々には下請けも含めIT業界の雇用を守っているとの自負がある」と言われたことがある。その時は「何を言ってんだろ、この人」と思ったが、冷静に考えると、それは一面の真理だ。日本のIT業界の病弊である人月商売や…
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ERPがそんなに嫌なら捨てればいいでしょ! で、その後どうする
ERP嫌いなシステム部長は結構多い。「ERPが嫌いだから導入しない」という意味ではない。既にERPを導入して何年も経っている企業のシステム部長が、ERPやその開発ベンダーに対して不満タラタラなのだ。特に往年のビッグバン導入、つまり「全社的な業務改革をERP導入により実現した」と喧伝していた大企業の…
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システムに完ぺきを求め、不幸を撒き散らす疫病神はあなたです
「なぜ皆さんはプログラムに完ぺきを求めるのですか。そんなの無理に決まっているでしょ!」。某官庁の大会議室。居並ぶ大手ITベンダーの経営者や著名学者らが、システム障害ゼロを目指す取り組みの重要性を説く中、つまらなそうに聞いていたITベンチャーの若手経営者は、官僚から発言を求められ、そう言い放った。会…
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「仕事は遊び」が分からないマゾヒスティックなIT業界の面々
「仕事は遊びみたいなもの」などと不用意に言うと、この国においては必ず「不真面目な奴」「仕事が何たるか分かっていない」と侮蔑の目で見られることになる。特に、客の無理難題にもみ手で応える人月商売のITベンダーの技術者に言ったら大変だ。以前そんな話をしたら、「アンタのようないい加減な仕事はいいよな」と曲…
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