2013年2月25日よりスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2013(MWC 2013)」や、3月5日よりドイツ・ハノーバーで開催された「CeBIT 2013」では、米Intelによる最新のモバイル向けAtomプラットフォーム「Clover Trail+」が注目を集めた。

 Intelは、1月に開催された「2013 International CES(CES 2013)」でも低価格端末向けに「Atom Z2420」を発表しており、これらを搭載したスマートフォン、タブレットが着実に増加しつつある。そこで、各プロセッサの特徴を踏まえた上で、これらのイベントに展示された最新のIntelプロセッサ搭載端末を、ここでまとめて紹介しよう。

Intelプロセッサを搭載したスマートフォン・タブレットが増加
Intelプロセッサを搭載したスマートフォン・タブレットが増加
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新プロセッサ「Clover Trail+」でCPU性能は2倍、GPU性能は3倍に

 IntelはMWC 2013の開幕に合わせて、最新のAtomプラットフォーム(コード名:Clover Trail+)を発表した。Clover Trail+は、Windows 8タブレット向けのAtomプラットフォーム「Clover Trail」に“+”が付いただけの名前だが、位置付けはスマートフォンおよびAndroidタブレット向けとなっている。

 一方、Intelは1月のCES 2013において、新興市場などで需要の高まる低価格端末向けに「Atom Z2420」(コード名:Lexington)を発表した。Clover Trail+はLexingtonとは異なり、メインストリーム向けのより高性能なプロセッサで、Medfieldの後継という位置付けだ。Clover Trail+のラインアップは、Atom Z2580・Z2560・Z2520の3種類。主な違いは動作周波数で、最上位のZ2580は2.0GHz、Z2560は1.6GHz、Z2520は1.2GHzが上限となる。3種類すべてがメインストリーム向けとなっている。

 Clover Trail+の前モデルである「Medfield」と比べて32nmというプロセスルールは同じだが、CPUコアはデュアルコアに、GPUもデュアルコアのPower VR SGX 544MP2に置き換わっている。これによりCPU性能は2倍、GPU性能は3倍に向上しているという。

 性能向上に伴う消費電力や発熱の増加について、Intelが内部的に測定したベンチマークテストによれば、ピーク時の消費電力はたしかに高い。しかし処理をより短時間で終えることができるため、消費電力が低い状態に速やかに移行できる。そのため、トータルでの消費電力は同じか、むしろ低下するとしている。

Clover Trail+の主な仕様
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Medfield、Clover Trail+、Lexingtonの関係(CES 2013より)
Medfield、Clover Trail+、Lexingtonの関係(CES 2013より)
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