Rubyに最も多くの件数、改良を提供しているのは、まつもとゆきひろ氏ではない。1位は中田伸悦氏、2位は田中哲氏。3位がまつもと氏だ。中田氏は累積の改良件数が7500件以上と、まつもと氏の3倍を超える突出した貢献だ。その修正の速さに、Rubyコミュニティでは、パッチ(プログラムへの修正)袋を隠し持つ「パッチモンスター」とも呼ばれる。その原動力は「バグを直した時の達成感」と中田氏は語る。

(聞き手は高橋 信頼=ITpro


Rubyの改良をするようになったのは。

 PerlのツールをRubyに書き換えていたときにバグに出会って、追っかけて直したのが最初ですね。1996年か97年頃かな。それから、いろいろとやるようになって。

 Windwosのスレッドまわりや、ローカル変数のほか、パーサーもいじるようになって。目に付くものは適当に直しちゃう。仕事のあいまとかに。例えば障害の調査で呼ばれたけど、夕方にならないと記録データが来ないとか、そういう待ち時間なんかに。まつもとさんも、バブル崩壊で暇だったときにRubyを作ったと聞いていますので、それと同じですね。

7500件以上の改良をしています。15年間としても年間500件という膨大な量です。

 僕のはバグ修正が多いので、一件一件が小さいから。まつもとさんや笹田耕一さんは1回の修正が大きいですから。