アクセスしているWebサイトは異なるのに、似たような広告が表示された経験はないだろうか(図1)。
例えば、ソフトウエア関連のWebサイトを頻繁に閲覧しているユーザーには、ソフトウエアに関する広告が表示される。一方、別のユーザーがアクセスした場合には、全く異なる広告が表示される。あたかも、自分の趣味に合わせて広告が表示されているように思える。
実際、その推測は正しい。Webサイトによっては、ユーザーのアクセス履歴を収集し、表示する広告の選択などに利用している。
ユーザーごとに別広告
それを実現しているのが「Cookie(クッキー)」だ(図2)。Cookieとは仕組みの名称だが、その仕組みで使われる情報(データ)を指すことも多い。
ユーザーがWebサイトにアクセスすると、パソコンに保存されているCookieが、広告を配信しているWebサイトに送信される(図2の1)。
Cookieには、ユーザーがアクセスしているWebページの種類や、ユーザーを識別するためのIDなどが記述されているため、ユーザーに合わせた広告を配信できる(図2の2)。つまり、アクセスしているWebサイトが異なっても、広告を配信しているWebサイトが同じなら、同じような広告が表示されることになる。
ただし厳密には、識別されているのはWebブラウザーであり、個人は特定されない。Cookieは、Webブラウザーごとに保存されるためだ。
Cookieを使った広告表示を、「自分に合った広告が表示されるので便利」と感じるユーザーがいる一方で、避けたいユーザーもいるだろう。その場合には、Webブラウザーの設定などで識別されることを回避できる。
回避するには、Cookieの仕組みを知ることが重要だ。以下では、まず最初に仕組みを解説してから、具体的な回避策を紹介する。